東京証券取引所は1月22日、約定処理をこなす清算システムの増強を完了させた。1月18日に約定処理件数の増加が原因でシステムを強制停止したことを受けての緊急処置。これにより、システム設計上は、1日に処理できる約定件数が450万件から500万件に増えた。

 増強したのは、日立製作所製メインフレームで動作する「清算システム」。東証は1月23日から、取引の強制停止を判断する基準となる約定処理件数を、これまでの400万件から450万件に引き上げる。上限の件数がシステム設計上の数字よりも50万件少ないのは、最終的な取引件数がシステムの限界を超えることによって不測のシステム障害が起きることを防ぐためである。

 今回のシステム増強は清算システムの部分のみで、注文処理を担う売買システムは対象外。そのため、取引停止に踏み切る上限の注文件数は、1日850万件のまま変わらない。午後の取引開始時刻を午後12時半から午後1時に30分遅らせる緊急処置も、しばらく続けるという。

 東証はもともと、清算システムを刷新する1月30日に、1日にシステムが処理できる約定件数を450万件から500万件に増強する予定でいた。それまでは、システムの上限が450万件で取引停止の上限が400万件という状態のまま、乗り切るつもりだった。ところが、1日の取引時間を30分短縮して臨んだ1月19日に、約定件数は取引停止の上限ぎりぎりである400万件に達するなど、綱渡りの状態が続いていた。そこで、1日も早いシステム増強が必要と判断。1月20日に緊急のシステム増強を決め、1月21日と22日の週末で実施した。

【緊急特集】東証システム問題へ