三菱東京UFJ銀行は、2007年12月に予定していたシステム完全統合の完了時期を2008年末に延期することを決めた。同行のシステムは現在、合併前の旧東京三菱銀行と旧UFJ銀行のシステムを相互接続して稼働させている。そのため今後3年間は、旧東京三菱と旧UFJの店舗で、提供商品やサービスを完全に一本化できない状態が続くことになりそうだ。

 2004年7月に経営統合を発表した当初は、2005年10月の銀行合併と同時に両行の勘定系システムを相互接続する「Day1」フェーズを終わらせ、それから旧東京三菱のシステムに一本化する「Day2」のプロジェクトを進めるつもりだった。ところが、Day1フェーズで金融庁にテスト不足を指摘され、銀行合併とDay1の切り替えを2005年10月から2006年1月に3カ月延期した経緯がある。

 Day1のスケジュール見直しに加え、2005年秋の時点ですでにDay2のプロジェクトが3カ月ほど遅れていたことから、2005年11月にはDay2の切り替えを少なくとも半年は延期することを決めていた。その後、Day1の切り替えのメドがついた2005年11月末から、Day2の開発規模の見積もりを本格化させたところ、「Day2の差分開発の要件を必要最低限に落とし込んでも、1年の延期が必要」(システム関係者)との結論に至った。Day1の切り替え後にシステムの一部で顧客に影響を及ぼすトラブルが発生したことも、延期決定の要因の一つと見られる。

 三菱東京UFJ銀行の畔柳信雄頭取は、2006年1月4日に開催した合併記念式典の場で、Day2フェーズについて、「システム統合推進の専門組織を中心に、稼働スケジュールなどの詳細を詰めていく」と話していた。