米国サンフランシスコで先週開催された「MacWorld Expo」で,米Appleのエグゼクティブが「Windows Vista」ならIntelベースの新「iMac」と「MacBook Pro」上で動作するだろうと認めた。しかしながらAppleは,新型Mac上でWindowsが動作することをサポートしたり推奨したりする考えはない。またMac OS XとWindowsを同一マシン上でデュアル・ブートさせたいユーザーは,いくつかの技術的なハードルに直面するだろう。

 Appleのシニア・バイス・プレジデントであるPhil Schiller氏は先週,「私たちは(ユーザーが新型MacにWindowsをインストールしようとすることを)とがめ立てしない(We don't mind)。もし,われわれのハードウエアを愛しながらもWindows界に留まらざるを得ない人がいるのであれば,それは構わない」と語った。その一方で,AppleはユーザーがIntelベースのMac OS Xを標準的なPCにインストールしようとするのを認めていない。AppleがIntelベースのMac OS Xを単体で販売を始めるのは,2007年になるだろう。その単体OSの開発コード名は「Leopard」である。

 Windows XPユーザーにとっては,解決しなければならない技術上の問題もある。IntelベースのMacは,新しいタイプのBIOSである「Extensible Firmware Interface(EFI)」を採用している。EFIは米Intelが開発したものだ。EFIは現在のところ,32ビット・バージョンのWindows XPに対応していない。しかしながら,積極的なハッカーたちが,Windows XPをインストールしたり,Windows XPとMac OS Xのデュアル・ブートを可能にしたりするようなOSブート・ローダーを開発する可能性もあるだろう。

 Windows XPと異なり,Microsoftの次世代OSである「Windows Vista」は,EFIをネイティブでサポートする。よって,新型MacからMac OS Xを削除して,Windows Vistaをインストールすることは,比較的容易だろう。IntelベースのMacはIntelとカナダATI Technologiesの標準的なハードウエアを採用しているので,Windows VistaはIntelベースのMacで問題なく動作するはずだ。

 問題が発生するのは,Windows VistaとMac OS Xのデュアル・ブート環境を1台のマシン上で構築する場合である。記者はWindows Vistaのベータ版とMac OS Xのデュアル・ブートを試してみるべく,20インチ・ディスプレイ搭載のiMacを注文した。このテスト結果は,数週間内に「SuperSite for Windows」(該当サイト)で公開する考えだ。