独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は、新たな情報処理技術者試験として「テクニカルエンジニア(情報セキュリティ)試験(SV)」を今年4月から開始すると発表した。「実際にセキュアなシステムを設計・開発できるかどうかといった技術スキルを試す」(IPAの澁谷隆情報処理技術者試験センター長)ものである。

 SVは、国内におけるセキュリティ分野の資格試験としては2番目。IPAは2001年から「情報セキュリティアドミニストレータ試験(SU)」を実施している。SVは「Security deVelopment」の略称で、情報システムを開発・運用する技術者向けの資格試験と位置づけている。一方既存のSUは「Security User」の略。SVの開始に伴い、SUが情報システムの利用者向けであることを明確にした。

 SVの試験形式は、すでにある「テクニカルエンジニア試験」と同じ。午前(100分)が多肢選択式、午後!)(90分)が記述式、午後!)(120分)が論述式(事例解析)。SVの試験問題の難易度について、「目安としては、5~6年のシステム開発実務の経験がないと合格は難しい」(情報処理試験技術者委員である国士舘大学の杉野隆情報科学センター教授)という。第1回目となるSVの試験応募者数は「3万人程度はいくだろう」(澁谷センター長)。さらに合格者は「10%前後」(同)と予想している。