富士通は1月13日、ハードディスク・ドライブ(HDD)事業を強化するための3施策を発表した。これにより、2008年度にはHDDの売上高で世界第3位を目指す。現在、富士通は出荷台数で2600万台と世界第7位、売上高では2800億円で世界第5位である。売り上げ増と同時に、営業利益率も現在の2%から5%に上げる。

 強化策の一つめは、1.8インチ型のHDD市場に新規参入すること。1.8インチ型のHDDは、ノート・パソコンや携帯音楽プレーヤーなどでの利用が伸びている状況。1.0インチ型のHDD開発に実績のある米コーニスと提携し、1.8インチ型のHDDを共同開発する。2007年度前半には120Gバイトの製品を発売する予定だ。

 二つめは2.5インチ型HDDの強化。主にモバイル用での需要に対応する。具体的には、AV対応パソコン用の大容量製品(200Gバイト)や、ゲーム機や車載向けの製品を2006年度に発売する。垂直磁気記録方式を採用した製品の開発も進める。垂直磁気記録方式は、これまでの面内記録方式のHDDに比べて記録密度を高めることができる。既に東芝などが同方式の製品を出荷しており、富士通が追随する。

 三つめはサーバー向け製品。ブレード・サーバーなど高密度型のサーバー向けで、現在主流の3.5インチ型と同様の信頼性と性能を2.5インチ型で実現する。また2006年度中に、ディスクの回転数が毎分1万回転と高速な製品も出荷する計画。