米MicrosoftのMac担当ディレクタであるScott Ericikson氏
米MicrosoftのMac担当ディレクタであるScott Ericikson氏
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 米Microsoft Macintosh Business Unitのプロダクト・マネジメント&マーケティング担当のDirectorであるScott Ericikson氏が「MacWorld San Francisco 2006」で記者会見を行い,Microsoftと米Appleとのソフトウエア開発に関する合意内容や,今後の製品リリース計画について説明した。会見の内容は以下の通りである。

Q:Microsoftが今回のMacWorldで発表した内容を詳しく説明してほしい。

A:AppleのIntelプラットフォームへの移行が発表されて以来,今後の製品リリースについて,顧客から大量の質問が寄せられていた。そこで今回,PowerPCとIntelの両方に5年間はOfficeを提供するという合意に達したことを発表した。

 またAppleはMicrosoftに対して,新しいOS技術に関する情報を迅速に提供することになっている。契約期間は,2005年11月から5年間である。Windows用に「Office 12」が提供された後に登場する次期Mac用Officeは,PowerPCとIntelの両方向けにコンパイルされた「ユニバーサル・バイナリ」になる。次期Officeのリリース・スケジュールはまだ言えない。

 Windows用Office 12では,ファイル・フォーマットがXML形式に変更される。そこで,Windows用Office 12がリリースされてから,Mac用新バージョンが登場するまでのつなぎとして,XMLファイル・フォーマットをMac用Officeのフォーマットに変換するツールを無償で提供する。

Q:仮想マシン・ソフト「Virtual PC」のIntel版リリースについてはどう考えているのか。

A:われわれとしては,是非ともVirtual PCをIntelプロセッサ搭載Macに提供したいと考えている。なぜならVirtual PCは,まだ発売したばかりの製品だからだ。現在は,ユーザー・エクスペリエンスの見極めをしている最中である。

Q:それはどういう意味か?

A:Intelプロセッサ搭載MacでMac OS XとWindowsの両方を使いたいユーザーにとって,どのようなユーザー・エクスペリエンスが適しているか考えているということだ。つまり,デュアル・ブートという使い方がよいのか,仮想マシンがよいのか,ということを見極めている。デュアル・ブートはOSを切り替えるためにマシンを起動しなおす必要がある。その点に問題があると考えている。

Q:Windows用Office 12では,ユーザー・インタフェースが大幅に変更される。Mac用Officeの次期バージョンも,そのユーザー・インタフェースに従うのか?

A:それは分からない。しかし,Mac用Officeの方がWindows用Officeよりも見た目がよいというのが,われわれMac Business Unitの誇りである。それは次期バージョンでも変えたくない。