2006年の取り組みについて語るシャープの町田勝彦社長
2006年の取り組みについて語るシャープの町田勝彦社長
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亀山第2工場で使用する第8世代マザーガラスと町田社長。サイズは2160×2400mmで40型クラスの液晶パネルを8枚作れる
亀山第2工場で使用する第8世代マザーガラスと町田社長。サイズは2160×2400mmで40型クラスの液晶パネルを8枚作れる
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 2006年度の連結売上高は3兆円を目指す−−。シャープの町田勝彦社長は,1月11日に開催した年頭記者会見で,2006年度の目標を明らかにした。

 2006年は個人消費が堅調に推移すると予想した上で,(1)液晶テレビおよび大型液晶事業,(2)携帯電話およびシステム液晶事業,(3)太陽電池事業−−の3つの重点事業で販売台数や売り上げを伸ばす。3兆円の連結売上高が実現すると過去最高の実績となる。その上で,利益率6%を目標にする方針である。

 液晶テレビ事業では,2005年度の400万台から2006年度は50%増の600万台の販売を計画。ブラウン管から液晶への世界的な流れを取り込んで,事業の続伸を目指す。これに伴い,供給不足の傾向にある大型液晶パネルの生産体制も強化する。まず30型クラスの液晶パネルを生産する亀山第1工場(三重県亀山市)に150億円を投資し,前年比33%増となる月産6万枚体制を2006年3月に整える。

 次いで,40~50型クラスの生産を担う亀山第2工場を,2006年10月の予定からできるだけ前倒して稼働させる。生産体制も,2007年末を予定していた月産3万枚への増強を前倒しし,2007年3月末までに実現する計画である。さらに2008年度中に月産9万枚まで生産能力を高める。このために,2000億円の追加投資を予定している。

 携帯電話事業では,2006年4月の地上デジタル放送「ワンセグ」と,11月の「ナンバーポータビリティ」の開始を弾みとして,シャープが掲げる“オンリーワン商品”を提供する方針である。2006年度の販売台数は前年度比18.2%増の1300万台を見込んでいる。

 ワンセグ対応携帯電話はサービスが始まる2006年春にも商品化する計画。さらにこれまで端末を提供してきたNTTドコモ,ボーダフォンに加え,2006年にはKDDI向けの端末も提供することで,国内3キャリアへの端末供給体制を整え,ナンバーポータビリティに対応する。

 このほかの事業の連結売上高予想は,システム液晶事業が前年度比18.2%増の2600億円,太陽電池事業が前年度比33.3%増の2000億円を見込む。

 2006年度の連結設備投資計画は,約2750億円。内訳は,液晶関係が1900億円強で,その中でも大型液晶パネル関連に1400億円弱を投資する。これには亀山第2工場の稼働および増産の前倒しにかかる投資も含んでいる。