マイクロソフトは1月12日,中小規模向けのシステム運用・管理ソフト「Microsoft Operations Manager 2005 Workgroup Edition日本語版」を1月13日に発売開始すると発表した。価格は12万8000円である(10サーバーまでの管理ライセンス含む推定小売価格)。

 Microsoft Operations Manager(MOM) 2005は,システムを効率的に運用するための,Windows Server Systemsプラットフォーム向けシステム運用管理ツール。ネットワーク上のWindows NT 4.0/2000/XP/Server 2003マシンと,それらのサーバー上で動作するSQL ServerやExchange Serverといった各種サーバー・ソフトが正常に動作しているかどうかを監視して,障害発生時に管理者にメールを送信したり,あらかじめ設定した処理を自動実行したりする機能を備える。

 「管理パック」と呼ぶ,障害発生時などに自動実行する処理を記述したルールやスクリプトが用意されており,管理者が複雑な設定をすることなく管理できる。MOM 2005には様々なマイクロソフトのサーバー製品向け管理パックが標準で付属する。さらに独自のルールも,標準で用意されているウィザードを使うことで簡単に設定可能である。ルールさえ用意すれば,Windows以外の機器の管理も可能である。実際米国ではサード・パーティから,LinuxやSolarisなどのUNIX,米Cisco Systemsのルーター向けなどの管理パックが用意されている。

 MOM 2005 Workgroup Editionは,2004年12月に出荷開始されたMOM 2005の基本機能はそのままに,他社製システム管理ソフトとの連携機能,階層構成や冗長構成への対応といった大規模システム向け機能を削除し,管理対象サーバー数を10デバイスまでに制限することで低価格化を実現した,中堅企業向けのエディションである。

 また,ウイングアーク テクノロジーズ,OSK,オービックビジネスコンサルタント,ピー・シー・エーの各社は,それぞれ自社製ソフトの管理運用ツールのプラットフォームとして,MOM 2005を採用したソリューションを提供する予定である。主に,通称日本版SOX法に向けてITシステムを確実かつ効率的に運用することが目的。日本版SOX法は,企業の財務報告に関する内部統制の評価や監査の基準として,現在監督官庁により準備が進められている法律。ITシステムに関する統制も明文化されている。上場企業およびその連結子会社は,会計や販売管理などを含むITシステムを確実に監視し運用する必要がある。