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 「インテルはプロセサのベンダーから、“プラットフォーム”のベンダーへと変わる。今後は、プロセサの性能強化はもちろん、オープンな業界標準技術を積極的に取り入れたり、広範な業界と協力関係を結んで、プラットフォーム戦略を推進していく」。インテル日本法人の吉田和正 代表取締役共同社長(写真左)は1月10日に開催したセミナーで、同社の方向性をこう説明した。

 同社の言う「プラットフォーム」とはプロセサに加えて、無線通信やパソコン管理といった機能を統合したチップセット、これらを動作させるためのファームウエアなどを統合した製品のことだ。インテルはノート・パソコン向けの「Centrino(セントリーノ)」を提供したのをきっかけに、プロセサ単体だけでなく、付加機能を持ったチップセットなどの開発に注力してきた。

 この戦略の下、同社は1月6日、新しい製品ブランドを発表した。ノート・パソコン向けの「Centrino Duo」と、家庭用パソコン向けの「Viiv(ヴィーブ)」だ。Centrino Duoは、デュアルコア・プロセサの「Core Duo」、チップセット、ネットワーク・チップで構成する。「従来の製品に比べて性能を68%アップさせながら、消費電力は28%低減した」(米インテルのドン・マクドナルド デジタルホーム事業本部 副社長、写真中央)。一方のViivは、Core DuoやPentium D(開発コード名「Presler」)などのデュアルコア・プロセサに、チップセットなどを組み合わせたもの。5.1チャンネルのサラウンド音声再生やハイデフィニション映像再生といった、ホームシアター向けの機能を備える。

 さらに企業向けの新製品としては、2006年後半にも出荷を開始する「Averill(アベリール)」がある。Averillは、Pentium Dにパソコン管理機能対応チップセットなどからなるもので、高い性能と管理機能の両立を狙う。