2001年から2005年までのウイルス届け出件数の推移(IPAの発表資料から)
2001年から2005年までのウイルス届け出件数の推移(IPAの発表資料から)
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 コンピュータ・ウイルスの届け出先機関である情報処理推進機構(IPA)は1月10日,2005年の届け状況を発表した。それによると,ウイルスを発見したという届け出は5万4174件で過去最多(2004年は5万2151件)。そのうち,実際にウイルスに感染した割合(実害率)は0.4%で,2001年以降で最低(2004年は1.2%)。この理由としてIPAでは,「セキュリティ意識が向上しているため」としている。

 2005年に報告されたウイルスは171種類(2004年は142種類)。そのうち,2005年に初めて報告されたのは51種類(2004年は53種類)だった。届け出数が多かったウイルスは,Netskyが1万2782件,Mytobが5123件,Mydoomが4149件(いずれも変種を含む)。これらを含め,届け出数が多かったウイルスのほとんどがメールで感染を広げる。

 同日,IPAでは2005年12月のウイルス届け出状況を発表。12月中に寄せられた発見届け出は4293件(11月は3816件),そのうち実害があったのは16件(11月は6件)だった。届け出数が多かったのは,Netsky(1028件),Mytob(570件),Sober(509件)。

 IPAでは,メールで感染を広げるウイルスが猛威を振るっているとして,添付ファイルに十分注意するよう呼びかけている。具体的には,「拡張子が.exe,.pif,.scr,.batのファイルには注意すること」「添付ファイルやダウンロードしたファイルを開く際には対策ソフトでウイルス検査をすること」などを呼びかけている。

 加えてIPAでは,2005年ならびに2005年12月の不正アクセス届け出状況も発表した。2005年1月から12月の間に寄せられた不正アクセス届け出は515件(2004年は594件),そのうち実害があったのは176件(2004年は72件)だった。2005年の特徴としては,SQLインジェクション攻撃に代表される,Webアプリケーションの脆弱性を突く攻撃が多数発生したことを挙げている。

 2005年12月の届け出件数は25件(11月は24件)。そのうち,実際に被害に遭ったのは19件(11月は15件)だった。被害の内訳は,不正侵入が12件,メールの不正中継が1件,ワーム感染が3件,DoS(サービス妨害)攻撃が1件,その他が2件だった。

◎参考資料
コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況[12月分および2005年年間]について
2005年コンピュータウイルスの届出状況について(PDFファイル)
2005年コンピュータ不正アクセスの届出状況について(PDFファイル)
コンピュータウイルスの届出状況について[詳細](PDFファイル)
コンピュータ不正アクセスの届出状況について[詳細](PDFファイル)