写真1 米SanDiskが発表した4GバイトSDHCメモリー・カード
写真1 米SanDiskが発表した4GバイトSDHCメモリー・カード
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写真2 SDHCメモリー・カードのクラス
写真2 SDHCメモリー・カードのクラス
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 SDメモリー・カードの規格団体であるSD Card Associationは1月5日(米国時間)に開幕した「2006 International CES」で,SDメモリー・カードの上位バージョン「SDHCメモリー・カード」を発表した。SDHCメモリー・カードは,既存のSDカード・リーダー/ライターで読み書きできないが,既存のSDカードと違って4Gバイト以上のカードが製造可能になる。米SanDiskは同日,容量が4GバイトのSDHCメモリー・カードを発表している(写真1)。

 既存のSDメモリー・カードは,ほとんどのカード・リーダー/ライターにおいてFAT 16ファイル・システムが使われているため,最大容量が2Gバイトまでに制限されている。SDHCメモリー・カードは4Gバイトを超えるカードを製造するための上位規格である。SDHCメモリー・カードではFAT 32ファイル・システムが使えるため,ファイル・システム上の上限容量も大きく拡大する。2006年内に8Gバイトのカードもリリースされる見込みである。

 ただし当然のことながら,SDHCメモリー・カードは新規格なので,既存のリーダー/ライターで使用できない。SDHC用のリーダー/ライターや,対応周辺機器が必要である。SDHCメモリー・カードのリーダー/ライターや対応周辺機器では,既存のSDカードが利用できる予定だ。これは「Memory Stick」において,Memory StickとMemory Stick PROに互換性がなかったのと全く同じ関係である。Memory Stick陣営もMemory Stick PROでFAT 32に対応して大容量化が可能になった一方で,互換性の問題がユーザーやベンダーの不評を買った。ソニー関係者は「我々が2~3年前に苦労したことを,SDはこれから経験することになる」と説明する。

 SDHCメモリー・カードでは,転送速度による「クラス分け」も行われる。「CLASS 2」ならば2Mバイト/秒以上,「CLASS 4」なら4Mバイト/秒以上,「CLASS 6」ならば6Mバイト/秒以上の転送速度になる(写真2)。