NTTドコモは12月21日,フジテレビジョン(フジテレビ)株式の取得について,フジテレビとの間で合意したと正式発表した。株式取得予定日は2006年1月11日。フジテレビが保有する自己株式7万7000株をドコモが買い取る形を取る。株式取得のための出資額は207億1300万円。ドコモは,フジテレビの発行済み株式の2.6%を保有することになる。

 2006年4月開始の「ワンセグ」(移動体向け地上デジタル放送)などのサービスを踏まえて,ドコモでは以前からテレビ局各社と話し合いを進めていた。こうした通信と放送の距離が近づく流れの中で,フジテレビから出資の依頼を受けたという。NTTドコモ広報部は「両社のパートナーシップをもう一段強固にするよい機会と考えたため,フジテレビへの出資を決めた」と説明する。

 他の放送局への出資については「現段階で決定事項はない」(ドコモ広報部)。しかし「なんらかの形で放送局各社との間でアライアンスを強固にしていきたい」(ドコモ広報部)との見解を示した。

 今後NTTドコモとフジテレビは,通信と放送を連携した新しいサービス開発を検討する予定。「必要であれば共同のプロジェクト・チームを作るなど,柔軟に対応していく」(ドコモ広報部)と言う。