IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)は12月20日,2005年度下期「未踏ソフトウェア創造事業」採択プロジェクトを発表した。提案テーマ数145件から「ぬいぐるみモデラーの開発」,「Webアプリケーションによるロボットプログラムの開発環境」,「帯域・記憶領域共有による管理者不在のセキュア分散ファイル管理」,「オープンソースPDFライブラリの作成」など41件が採択された。

 未踏ソフトウェア創造事業は,独創性を備えた優れた個人の育成と発掘を目的とした事業で,2000年度から実施している。Alan Kay氏,公立はこだて未来大学学長 中島秀之氏,ソニーコンピュータサイエンス研究所副所長 北野宏明氏,東京工業大学大学院情報理工学研究科助教授 千葉滋氏ら11名がプロジェクトマネジャーとして審査や指導を行っている。

 「ぬいぐるみモデラー」は,立体モデルから2次元の布のパーツを自動的に計算し,そのパーツを組み上げてぬいぐるみモデルを構築するツール。裁縫を習いたての子供をターゲットにする。「Webアプリケーションによるロボットプログラムの開発環境」は,Webブラウザだけでロボットを操作するプログラムを作成することができる環境を提供する。開発者は毎年RoboCup4足ロボットリーグで優秀な成績を収めているという。「帯域・記憶領域共有による管理者不在のセキュア分散ファイル」は,PCがグループで仮想ファイル・システムを構築,相互にバックアップしながら自由に参加,離脱できるというもの。また「オープンソースPDFライブラリ」は,さまざまなOS上でさまざまな開発言語から利用可能なライブラリの開発を目指すという。

 このほかにも全部で41件の採択プロジェクトがあり,詳細はIPAのホームページで公開されている。