NECは12月19日、同日付の一部新聞報道にあった「NECが地銀向けオープン勘定系製品の営業活動を凍結する」という趣旨の記事に、「事実とは異なる」と反論した。

 話題に上ったのは、NECが銀行向けに提供しているオープン勘定系パッケージ「BankingWeb21」(BW21)。2003年5月に八千代銀行(東京都)が第一号ユーザーとして稼働済みで、トマト銀行やびわこ銀行、高知銀行、大東銀行、三重銀行が導入を発表済みだ。

 一方、八千代銀行のプロジェクトでBW21の開発が遅れた影響で、愛媛銀行や東日本銀行(東京都)、大光銀行(新潟県)がBW21の採用を撤回した経緯がある。さらに、ここ最近はBW21の受注の発表がない。そうしたこともあり、競合ベンダーや銀行界では、BW21の将来性を疑問視する声が上がっていた。

 だが、NECと三井住友フィナンシャルグループの関連会社で、BW21の開発を手がける「N&J金融ソリューションズ」(NJFS)の矢部眞一社長は「今年6月に、預金量が1兆円までの第二地銀を対象にしたBW21 のバージョン1.0をリリースした。来年3月までに、預金量1兆~2兆円規模の地銀向けのバージョン2.0を完成させる」と、プロジェクトが順調に進んでいることを強調する。今日の一部報道にも、「そんなことは聞いていない」と反論している。

 NECの川村敏郎副社長は、BW21の事業について「(一部の銀行が採用撤回するなど)一歩後退の動きがあったのは事実」と認めた上で、「だが、来年は“二歩前進”してみせる」と意気込む。
 
 NECは、一部報道で「NTTデータなど3社が進めている地銀向けシステムの共同開発にNECが参加する」という趣旨についても、「現時点ではそうした事実はない」(広報部)との見解を表明した。