写真1:無線ICタグ・リーダーを備えたフォークリフト
写真1:無線ICタグ・リーダーを備えたフォークリフト
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写真2:フォークに取り付けた無線ICタグ・リーダー。車体の下にも備える
写真2:フォークに取り付けた無線ICタグ・リーダー。車体の下にも備える
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写真3:無線ICタグの保護シート
写真3:無線ICタグの保護シート
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 海運大手の日本郵船は、倉庫内で貨物とフォークリフトの位置情報を管理する「ユビキタス倉庫自動ロケーションシステム」を、2005年12月14~16日まで開催された「TRONSHOW2006」で展示した(写真1)。2006年3月から荷主企業へシステムを提供開始する。

 このシステムは、YRPユビキタスネットワーキング研究所と共同開発を進めてきたもの。パレットと床面に貼付した無線ICタグを、フォークリフトに取り付けたリーダーで読み取る仕組み(写真2)。作業管理者が入出庫作業の様子をリアルタイムに把握できる上、作業後の入力の手間が省ける。無線ICタグが床面でフォークリフトに踏まれても壊れないよう、住友化学グループの住化ケムテックスと共同で、オリジナルの保護シートを開発した(写真3)。

 日本郵船は本業である海運業の傍らで、内外の自動車メーカーを中心とする荷主企業から陸上の業務を受託し、着々と業容の拡大を図ってきた。倉庫管理業務のほか、トラックを使った陸運、自動車への部品組み付け、港での通関手続き代行なども手掛けている。2004年4月には研究開発子会社のMTIを設立し、無線ICタグ関連技術などを開発してきた。日本郵船は、今回展示したシステムを自社の倉庫管理業務の競争力強化につなげるとともに、荷主企業に対してはその業務を支援するツールとして有償で提供していく。

 なお、今回の展示には、豊田自動織機が試作した燃料電池フォークリフト「トヨタFCHV-F」を使った(Tech-On!関連記事:要認証)。国内での公開はこれが初となる。

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