システム構築費の一部不払いを理由に、ITベンダーのイーシー・ワンが非鉄金属卸業の白銅を訴えていた訴訟の和解が、12月15日に成立した。両社が受け入れた調停案は、白銅がイーシー・ワンに対して3億7000万円を支払うというもの。これは、イーシー・ワンが求めていた支払額の半分強に当たる。

 訴訟の対象となったシステム構築プロジェクトがスタートしたのは、2002年9月である。白銅が、物流関連の基幹系システムの再構築をイーシー・ワンに依頼し、2003年10月1日の本稼働を目指した。だが、プロジェクトは遅延。イーシー・ワンは、白銅側の要件定義の遅れなどがプロジェクト遅延の理由の一つとして、2003年3月に稼働時期の延期を白銅へ通知するとともに、追加費用を請求した。

 白銅はこの申し入れを不服として、同年4月1日、イーシー・ワンに契約の解除を伝える内容証明付きの文書をイーシー・ワンに送った。これに対してイーシー・ワンは、「検収を完了した納品物の支払いがなかった」などの理由で2003年6月20日、東京地方裁判所に白銅を訴え、約6億1280万円の支払いを求めた。

 今回、調停案を受け入れた理由について両社は、「訴訟の長期化の可能性など経営への影響を総合的に判断した結果」と、ほぼ同じコメントを出している。