ジェイティービー(JTB)は12月16日、システム障害により2071件の顧客口座から合計7350万円を誤って引き落としていたことを明らかにした。システムを開発した富士通エフ・アイ・ピーが設定した上限回数を超えた入出金があり、誤った引き落としが発生した。JTBは書面や電話で顧客に通知しており、今月20日までに返金処理を完了する予定だ。

 障害を起こしたのは、旅行積立商品「JTBたびたびバンク(フリープラン)」を管理するアプリケーション。JTBたびたびバンクは、一定期間、毎月一定の金額を積み立てていき、旅行商品を購入する際に積み立てた金額を利用できるというもの。金額の積み立て期間が満了するとフラグを立て、以後、口座からの引き落としが止まるようにする。JTBたびたびバンクの積み立てに対して、顧客は自由に入出金できる。

 今回の障害は、顧客の一人がJTBたびたびバンクの積み立てに対して年間100回を超える入出金を繰り返したことで発生した。JTBによれば、同社はシステム開発時に富士通エフ・アイ・ピーに対して、入出金の回数を無制限にするよう要請した。ところが富士通エフ・アイ・ピーは「入出金の上限を誤って99回と設定していた」(JTB広報部)。

 このため、指定口座への入出金が100回を超えたところ、すでに積み立て期間の満了していた2071人のフラグを外してしまう障害が発生。12月12日に、積み立て期間が満了した顧客口座からも引き落としてしまった。同日に顧客からJTBに対して指摘があり、異常が判明した。

 JTBはトラブルの処理費用を富士通エフ・アイ・ピーに請求する予定。JTBたびたびバンクの顧客数は合計で約7万8000人という。