来賓として登壇した菅義偉総務副大臣
来賓として登壇した菅義偉総務副大臣
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 IPベースの次世代ネットワークの構築を産官学が連携して推進するための団体「次世代IPネットワーク推進フォーラム」が2005年12月16日に発足した。会員はNTTグループ各社など201団体。事務局は情報通信研究機構(NICT)。

 来賓として登壇した菅義偉総務副大臣(写真)は,「国際的にも次世代ネットワークの標準化が最重要課題と位置付けられている。我が国としても研究開発や国際標準化に対して戦略的に取り組んでいくことが急務」とし,次世代IPネットワーク推進フォーラムに対する期待を述べた。

 また,同フォーラムの会長に選任された齊藤忠夫東京大学名誉教授は,NGN構築のためには「要素技術の研究開発,相互接続試験,実証実験などの技術的検討のほか,技術基準の策定,国際標準化などの政策的検討が必要」と,同フォーラムの役割を説明した。

 同フォーラム副会長の山田隆持NTT代表取締役副社長は,「これまでの電話が備えていた安心感や信頼感をどうしていくかが重要」とし,「方向性をこのフォーラムでできる限り合わせることが国際競争力の源泉となる」とした。

 次世代IPネットワーク推進フォーラムの会員は,電気通信事業者や機器メーカー,情報通信関連の各種団体,大学関係者などで構成。NTTグループ各社以外に,KDDI,日本テレコムといった通信事業者,NECや日立製作所,富士通,沖電気工業,三菱電機やシスコシステムズなどの大手通信機器メーカー,さらにはPHS事業者のウィルコムや,ケーブルテレビ事業者のジュピターテレコムやビック東海なども参加する。会員は今後さらに増加する予定。

 同フォーラムは(1)技術部会,(2)研究開発・標準化部会,(3)企画推進部会の3部会で構成。(1)の技術部会では,技術基準や相互接続試験等を推進する。部会長は早稲田大学の後藤茂樹教授が選任された。(2)では,研究開発や国際標準化に関する検討を開始する。部会長は工学院大学の浅谷耕一教授である。(3)は同フォーラムの広報活動などを実施。部会長はNICTの松島裕一情報通信部門長が勤める。今後,これらの作業部会を中心に具体的な検討が進められる。