「1万人クラスの企業で導入が進んでいる」---Mozilla Japan理事の瀧田佐登子氏によれば,FirefoxとThunderbirdの企業への導入が進行しているという。1社だけでなくいくつかの企業で導入が進められており,現在も「多くの問い合わせが来ている」(瀧田氏)

 米国ではすでに「米IBMが社内の標準ブラウザをFirefoxに切り替えた」(Mozilla Foundation 理事 伊藤穣一氏)という動きもあるという。

 また,企業向けにExtention(拡張機能)を作成するサービスも行っている。例えばプロキシを自動的に設定したり,アップデートを自動的にダウンロードするようなExtentionを開発した実績があるという。こういった企業向けのサポートは,テンアートニやグッデイなどの企業と強力して行っている。

 FirefoxはオープンソースのWebブラウザ,Thunderbirdは同じくオープンソースのメール・クライアント。約1年前の2004年12月にリリースされた。Mozila Foundationが開発,配布している。Mozilla JapanはMozilla Foundationの公式アフィリエイトである。

 11月には1年ぶりのメジャー・バージョンアップになるFirefox 1.5がリリースされたが,英語版と日本語版を含む各国語版が同時に公開された。1.Xでは,日本語版は英語版に数日遅れてリリースされていたが「今後はユーザー・インタフェースの仕様が変わらない限り,日本語版も同時にリリースできる」(瀧田氏)。英語版の最新バージョンで修正されているセキュリティ・ホールが,日本語版の最新バージョンではまだ修正されていない,といった状況は大幅に減る。各国語に依存する部分はランゲージ・パックの形で組み込まれるようになったためだ。

 6月には奈良先端技術大学大学院教授の砂原秀樹氏,11月にはネオテニー 代表取締役社長兼CEOの伊藤穣一氏がMozilla Japanの理事に就任した。砂原氏は組み込みシステム向けの開発などで協力する。伊藤氏はMozilla Foundation本体の理事も務める。「JapanとFoundationの意思疎通をさらに円滑にする」(伊藤氏)という。