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「コングロマリット・プレミアムの時代が来る」---日立 古川新社長

高橋 信頼=ITPro 2005/12/15 ITpro
庄山悦彦新会長(左)と古川一夫新社長(右)
庄山悦彦新会長(左)と古川一夫新社長(右)
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 「(事業領域が多いために株価が伸び悩む)コングロマリット・ディスカウントと言われてきたが,むしろ様々な技術があるためにイノベーションやシナジーが生まれるコングロマリット・プレミアムの時代が来る」---2006年4月に日立の代表執行役 執行役社長に就任する古川一夫氏は,社長交代を発表する記者会見の席上,総合力が強みになる時代が来ると強調した(関連記事,古川氏インタビュー)。

 日立の社長には代々重電出身者が就いてきたが,古川氏は「交換機のエンジニアとしてスタートし,一貫して情報通信分野を歩んできた」(古川氏)という初のIT出身トップになる。その古川氏は,情報通信へのシフトよりもむしろ総合力を重視する方針を示した。

 2003年に中期経営計画「i.e.HITACHIプランII」で,庄山悦彦現社長は“選択と集中”の方針のもと,売上高の2割に相当する不採算事業からの撤退という数値目標を掲げていた。この目標は達成されなかったものの,古川氏は「現在のグループ体制に関しては問題ないと思っている。今のまま進めて行きたい」と現行路線を踏襲する。4月から代表執行役 執行役会長としてグループ戦略を担当する庄山現社長も「素材から機械,情報通信まで,これだけ幅広くやっている会社はほかにない。この中から新しい価値,イノベーションを生み出していくことが私の使命。領域が広いため,コスト低減の余地もたくさんある」と,総合力重視を強調した。

 成熟市場と見られていた重電は「一挙に希望に満ちた事業になってきている。長く苦しんできたが,環境が一変してきた。グローバルに投資が好転している。技術そのものも,新しいテクノロジーが出てきた。しかも粒子線をがん治療に応用したり,燃料電池に応用したりといった,他の事業にも転用できる技術だ」(古川氏)と評価が高まっている。

 これに対して成長市場であるはずのハードディスク,フラット・パネル(PDPおよび液晶ディスプレイ),薄型TVの3分野が急激な価格下落に対応できず,赤字事業となっている。

 直近の課題は,これら3事業の建て直しだ。古川氏は「ハードディスクの需要自体は旺盛だ。設備投資が必要な事業で,すでに投資を行った。すぐには効果は出ないが,2006年後半には効果が現れる。ディスプレイでは,(広視野角の液晶技術である)IPSなどユニークな技術を立ち上げる。薄型TVは今年の前半,開発などで遅れたが,今順調に回復してきている」と手応えを感じているようだ。自らの出身である情報通信にも関わりの深いこれらの3事業について「来年にはすべてを黒字化する」(古川氏)という言葉を現実のものにできるか,新社長の手腕が問われる。

 記者会見での主な質疑応答は以下の通り。

問:情報通信事業をどう成長軌道に乗せていくのか。

古川氏:数値目標は達成できなかったが,種は仕込んだつもりだ。ストレージのグローバル展開など,まだまだ成果は出ていないが,間もなく結果が現れてくると考えている。

問:一番の課題はパネルではないか。

古川氏:ハードディスク,パネル,薄型TV,この3部門で,急速な価格下落に対応できなかった。3部門を立て直す。来年にはすべてを黒字化する。

問:(利益見通しの下方修正を行うなど)業績が悪い中で,社長交代という決断に至った理由は。

庄山氏:業績が悪い原因は,先ほども申し上げたようにはっきりしている。ハードディスク,パネル,薄型TVだ。これらには全社を挙げて対策し,見通しがついた。それで若い社長にバトンタッチして,2人3脚でがんばっていこうと考えた。業績で交代を考えたわけではない。(中期経営計画での目標である)利益4000億円達成までなんとしてもやりぬきたい。

問:庄山氏はいつまでCEOを続けるのか。株主総会までか。それとも利益4000億円を達成するまでか。

庄山氏:社内的にはCEOという言葉は使っていない。海外ではCEO,COOという呼称を使用しているが,この先,取締役会で審議していくこと。しばらくは私がCEOとして業務を遂行する。

問:これまでの社長はみな工場長,重電を経験している。古川氏にはそれらの経験がないが,不安はないか。

古川氏:経営の基本は重電も情報通信も同じだと考えている。戸塚工場に20年いたので,工場の仕組みもよく理解している。

問:庄山社長の健康状態は。

庄山氏:若干体重オーバーだが,あとはまったく健康だ。

問:情報通信分野の重点はどこに置くのか。グループ再編はあるのか。

古川氏:NGN(Next Generation Network,IPベースの次世代基幹ネットワーク)に関しても,インフラ系をきちっとやっていくことがポイント。グループ現在の体制に関しては問題ないと思っている。今のままで進めて行きたい

問:庄山氏は,他のメーカーとの共同ファブ,共同ファウンドリという動きを率先してきた。今後はどう進めるのか。

庄山氏:グループあげてやらないといけない問題だ。当然相談しながら進めていく。急に方針が変わることはない。

古川氏:日本の電機業界の競争力のにためにも必要ではないか。業種によって違うと思うが,半導体のように大きな投資をする業種では共同での投資が必要だ。

問:合弁事業は,どちらかが強者になって主導権を持たないと難しい。

庄山氏:総論と各論が一致しないと成功しない。勝った負けたを議論している間はうまくいかない。各社が気持ちを合わせ,心を一つにすることが大切だ。DRAMは大事という思いから,NECと共同で(エルピーダメモリを)設立した。苦労はしたが,上場して成功したと認識している。

問:庄山氏の在任期間は7年。日立の社長としてはやや短い。

庄山氏:年齢に関する内規的なものがある。内規的なものなので公開はしていないが,尊重したほうがいいと考えた。

問:庄山氏が会長として担当するグループの仕事とは具体的に何か。

庄山氏:日立製作所のグループ企業は1100社を超える。連結売上は単独の約3.5倍だ。素材から機械,情報通信,これだけ幅広くやっている会社はほかにない。この中から新しい価値,イノベーションを生み出していくことが使命だ。事業領域が広いので,コスト低減の余地もたくさんある。

問:電機業界の11社体勢は,続いていけると思うか。

古川氏:M&Aは,聖域なしでいろいろな可能性を検討したい。

問:買収を含めて強化したい分野は。

古川氏:ハードディスク,パネル,薄型TVは2006年までにはきちっと仕上げられる。今ある事業領域はいずれも世界で戦える分野。それぞれ強くなっていくことが大事。

問:現在の業績をどう考えているか。

古川氏:ハードディスク,パネル,薄型TVの3つを除いては順調と考えている。3分野は急激な市場価格の下落に対応できなかった。

問:3分野が2006年までに立ち直るというが,その具体的なプロセスは。

古川氏:ハードディスクの需要自体は旺盛だ。設備投資が必要な事業で,すでに投資を行った。すぐには効果は出ないが,2006年後半には効果が現れる。ディスプレイでは,IPSなどユニークな技術を立ち上げる。薄型TVは今年の前半,開発などで遅れたが,今順調に回復してきている。

問:古川氏にとって,これまでの仕事で印象深いものは。

古川氏:思い出に残っているのは,94年から96年までアトランタの日立テレコムUSAに行ったことだ。世界が日立をどう見ているかを知ることができたことなど,よい勉強になった。苦労はしたが,最後には成功できたと思う。

問:古川氏の趣味,座右の銘,家族構成は。

古川氏:自慢できる趣味はない。いつも読書と音楽鑑賞と書いている。

 座右の銘は一期一会。一回きりのお客様であっても,次も日立と仕事をしたいと思っていただけるようにしてきたつもりだ。家族構成は妻と一男一女の4人。

問:古川氏に決めた理由は。誰と相談したのか。

庄山氏:人間性,誠実性,やる気,グローバル経験,いろんな意味で任せられる人と思った。また指名委員会の方々に見ていただいた。

問:庄山氏の場合,売上高の2割に相当する既存不採算事業からの撤退というコミットメントがあった。古川氏のコミットメントは。

古川氏:選択と集中はこれまでもやってきている。数値的なことなどは,次期経営計画できちっとお話したい。

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