写真 ボーダフォンの久保幸夫・法人事業企画部長
写真 ボーダフォンの久保幸夫・法人事業企画部長
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 ボーダフォンは12月15日,企業が運用しているグループウエアのメールや予定表,アドレス帳をリアルタイムで携帯電話と同期させる「ボーダフォン・オフィス・メール」サービスを発表した。2006年1月18日に提供を始める。

 会社のアカウントに届いたメールやグループウエアに入力した新規スケジュールなどが,リアルタイムに携帯電話にプッシュ配信される。逆に携帯電話で返信したメールはグループウエア・サーバー経由で送られ,携帯電話で入力した新規スケジュールはグループウエア・サーバーに反映される。「会社で使うOutlookのクライアントが,携帯電話の中に入るイメージだ」(久保幸夫・法人事業企画部長,写真)。

 LANに設置した専用のサーバーが,グループウエア・サーバーのメールやスケジュールを取得。携帯電話にインストールしたアプリケーションにプッシュ配信する。アプリケーションは,受け取ったデータを携帯電話が元々備えるメールやスケジュールの画面に表示させる。専用サーバーの代わりにパソコンにソフトをインストールして使うこともできる。

 同サービスでは「Enterprise Server」と「Personal Edition」の2メニューを用意した。Enterprise Serverは,企業のLANに設置した専用サーバーがグループウエアから新着メールや新規スケジュールを取得。リアルタイムで,携帯電話にインストールしたアプリケーションにプッシュ配信する。

 Personal Editionは,さらに「PC版」「ISP版」の2タイプに分かれる。PC版は社内のパソコンにインストールしたソフトを使ってグループウエアを携帯電話と同期させる。ISP版はサービス側でプロバイダ(ISP)や企業に届いたメールを取得し,携帯電話にプッシュ配信する。ISP版は予定表,アドレス帳の同期には非対応。

 同サービスで利用できるグループウエアは,現時点ではマイクロソフトのExchange5.5/2000 SP4/2003とOutlook 2002 SP3/2003。今後IBMのLotus Domino/Notesに対応させる予定。Personal Edition ISP版はプロバイダや企業のPOP3サーバーに対応する。端末は,当初は12月17日に発売するVodafone 702NK II(Nokia 6680)で利用できるが,今後対応機種を増やしていく

 料金は,初期費用がEnterprise Serverが1万500円,Personal Editionは不要。月額料金はEnterprise Server/Personal Editionともに1回線につき525円。ボーダフォンライブ!基本使用料とパケット通信料が別途かかるが,定額サービス(デュアルパケット定額)や割引サービス(ハッピーパケット,パケットエコノミー)の利用も可能。

 同サービスでは,米ビストが提供するプッシュ型メールのサービス・プラットフォームである「Visto Mobile Enterprise Server」と「Visto Mobile Personal Edition」を採用している。

(山崎 洋一=日経コミュニケーション