設立総会の様子
設立総会の様子
[画像のクリックで拡大表示]
協議会の和田英男理事長(中央)、右は実証実験部会の川内晟宏リーダー
協議会の和田英男理事長(中央)、右は実証実験部会の川内晟宏リーダー
[画像のクリックで拡大表示]

 12月14日、都内のホテルで設立総会が行われ、共通XML/EDI実用化推進協議会(COXEC)が正式に発足した(Webサイトはこちら)。COXECは民間の有志企業による任意団体で、企業規模にかかわらず利用できる、共通仕様のEDI(Electronic Data Interchange:電子データ交換)システムの構築が目的。

 大手企業が運営している独自仕様のEDIではなく、インターネットを通じた共通仕様EDIの普及を推進する。現在ファクスが主流の中小企業の世界で、これに置き換わる「ブロードバンド社会のファクス」を目指す。

 実証実験コンソーシアムは、システム開発部会と実証実験部会に分かれている。前者は、ASPでEDIサービスを提供するための、サーバー・クライアント型のプル型EDI送受信ソフトウエアや、EDIメッセージの蓄積・交換ソフトウエアの開発を担当する。後者は、各社の社内システムとの連携に関する定義や実験システムの準備、中小企業でも比較的容易に導入できるEDI導入支援マニュアルの作成などを担当する。

 既に一部で、ソフトウエアの使用確定などの開発作業が進んでいる。今後2006年4月から順次実証実験を開始し、9月に終了。同年10月から普及や事業化を推進する段階に入る予定だ。

 現在日本では、中小企業の取引の電子化がなかなか進んでいない。いまだにファクスでのやり取りが普通で、今以上のコストダウンや省力化に対する障害になっている。また大手企業が独自のEDIを普及させているため、取引のある中小企業は多数のEDI仕様に対応せざるを得ず、困っているケースが多い。

 実証実験部会の川内晟宏リーダーは「既に大企業とその直接の取引先の間には、業界EDIなどが普及しており、それを否定するつもりはない。次の更新のタイミングで、インターネットEDIに乗り換えてもらえるよう、努力していきたい」と語る。また中小企業への普及を促進するために、サーバー管理の不要なASP+プル型で、経済性やコストを考えたシステムにする計画だ。

(本間 康裕=ITPro SMB+IT)