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 東京大学大学院情報学環の坂村健研究室は2005年12月13日、「T書体セット」を発表した。3書体で12万文字、合計36万種類の漢字フォント・データである。同14日に開幕する展示会「TRONSHOW2006」で展示した後、来春に研究室のWebサイトで無償公開する。住所や氏名などを正確に表記する際に必要な珍しい文字もカバーしており、国内においては「ほぼ外字を使わなくて済む」(坂村教授)という。このフォント・データを使えば、自治体などで外字の作成や管理にかけていた手間を省ける。

 T書体セットは、JIS第一水準、第二水準に含まれないさまざまな文字を表記できる。同じ意味の漢字でも、部首や画数が異なる書き方が存在する「異体字」にも対応した。従来、同研究室が公開してきた7万文字1書体(明朝体)の漢字フォントを強化し、明朝/ゴシック/楷書の3書体をそろえた。BTRON3仕様に基づきパーソナルメディアが開発・販売するOS「超漢字4」のほか、組み込み用OS「T-kernel」に対応する。Windowsでは登録できる文字数が制限されているため、T書体セットから必要な文字を選び、外字登録して使う必要がある。

(本間 純=日経コンピュータ)

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