シマンテックは12月13日、インターネット詐欺の調査結果を発表した。コンピュータに不具合を生じさせるような攻撃から、個人情報や金銭を狙った攻撃が増加していると言う。「インターネット詐欺の手口は巧妙となり、人間の心理を突くような攻撃には、セキュリティ対策ソフトだけでは防ぎきれない」とシマンテック コンシューマ・マーケティング部 プロダクトコミュニケーションマネージャ 田上利博氏は警鐘を鳴らす。

 インターネット詐欺の多くは、スパイウエアやフィッシング・メールを利用する。シマンテックなどが提供するセキュリティ対策製品は、スパイウエアなどを検知はできる。しかしユーザーが個人情報を求めるメールに返信したり、使用許諾契約でスパイウエアのインストールに同意したりするところまで見抜くことはできない。また、OSやアプリケーションを最新版にアップデートしていない場合に、未知の悪意あるプログラムやスパイウエアを防ぐのも不可能だ。

 今回、調査した1000人のうち、84.7%がネット・ショッピングやオンラインの予約サービスを利用したことがあると回答。ネット・バンキングやオンライン株取引も66.9%の人が利用している。同時に、不正に個人情報を聞き出そうとするメールを受信したことのある人が20.4%に上ったほか、詐欺目的のWebサイトへアクセスした経験のある人も12.6%と1年前の調査から倍増した。

 防御手段として、7割の人が銀行の預金明細やクレジットカードの利用明細を確認しており、こうした自衛手段を取る人は、2004年9月の調査と比べ1割から2割増えた。シマンテックでは、製品開発においてセキュリティ設定を容易にし、ユーザーがカスタマイズしやすくしているほか、今後、ユーザーへの啓もう活動にも役立てたい考えだ。

 今回の調査は、シマンテックの依頼によりインフォプラントが10月下旬に実施。インターネットの利用歴が3年以上の男女、計1000名が回答した。