写真1●「2005年オープンソース・ビジネス・アワード」の表彰を受けた3社の代表<BR>左からニユートーキヨー 財務部情報システム室の湯澤 一比古室長,福島情報サービスの桃井 亮常務,青森県情報サービス産業協会の薄木 浩専務理事
写真1●「2005年オープンソース・ビジネス・アワード」の表彰を受けた3社の代表<BR>左からニユートーキヨー 財務部情報システム室の湯澤 一比古室長,福島情報サービスの桃井 亮常務,青森県情報サービス産業協会の薄木 浩専務理事
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 NPO法人のOSCARアライアンスは2005年12月12日,オープンソース活用を推進した企業/団体を表彰する「オープンソース・ビジネス・アワード」の受賞者を発表し,同日表彰式を行った(写真1)。受賞したのは,ニユートーキヨー,福島情報サービス,社団法人青森県情報サービス産業協会の3団体(表1)。オープンソース・ビジネス・アワードは,2002年に創設され,今回で4回目。

 受賞対象となった3団体と受賞理由は以下の通り。

 ニユートーキヨーは,富士通のオフコンで運用していた販売・在庫管理システムを,「LAPP」(OSにLinux,WebサーバにApache HTTP Server,データベースにPostgreSQL,開発言語にPHP)で開発したシステムに移行した。さらに,そのシステムをオープンソースとして公開した(関連記事)。開発開始は2005年7月で,システムの公開は開発版の早い段階から行っていた。

 福島情報サービスは,IBMのi5/OSが持つ「OS/400 PASE(Portable Application Solutions Environment)」技術に注目。Linuxを使わず,i5/OS上で「AMP」(WebサーバにApache HTTP Server,データベースにMySQL,開発言語にPHP)スタックを利用できるようにし,須賀川東部運送(本社:福島県須賀川市)の業務システムをIBMのeServerで構築した。「海外では活用例が多いOS/400 PASEだが,国内での採用はほとんどない。今回はIBMの協力もあって実現できた」(同社の桃井 亮常務)。

 青森県情報サービス産業協会は,2005年7月より地場のIT産業育成を目指し,オープンソース・ソフトウエア技術者の育成のための講習を開始した。一般的なLAMPの技術的な理論を勉強するだけでなく,(1)ソフトウエアをソース・コードから改変できる能力,(2)実際システムを構築できる経験---が身に付くようにカリキュラムを組んでいる。「地元の技術者を育て,大都市から青森に戻ってきたIT技術者が働ける企業が増えるようがんばりたい」(同法人の薄木 浩専務理事)。

表1●「2005年オープンソース・ビジネス・アワード」を受賞した会社とその主な理由

名称 受賞理由
ニユートーキヨー 同社の販売・在庫管理システムをオープンソースとして公開
福島情報サービス 運送会社のシステムを,i5/OS上でAMPを使って構築
青森県情報サービス産業協会 地域雇用の活性化を目指し,LAMPの講習会を実施