バンダイチャンネルが自社の映像配信事業の幅を広げるタイミングを計るため,インターネットの媒体価値を把握する作業に取り組み始めた。同社は2005年12月10日午後9時から11日午前9時の12時間限定で,提携先のISP(インターネット・サービス・プロバイダー)の映像配信サイトなどでテレビ放送に先駆けて新作アニメを無料配信し,視聴件数を測定する。配信するのは,富野由悠季監督の新作アニメ「リーンの翼」の第1話である。

 今回の試みの狙いは,「知名度の高い富野氏の新作アニメをテレビ放送に先駆けてネット配信して,現時点におけるインターネットの『メディア力』を把握する」(志水毅副社長)ことにあるという。多くの人が関心を持ちそうな話題作を「ファーストラン」で公開すれば,現時点におけるインターネットのメディアとしての正確な実力を把握できるという読みがあった。バンダイチャンネルは今回の無料ネット配信の視聴動向を分析したうえで,新たな業態の検討を進める方針である(詳細は日経ニューメディア2005年12月12日号に掲載)。