NTTドコモの音声通話機能のみに絞ったFOMA端末「らくらくホン シンプル」
NTTドコモの音声通話機能のみに絞ったFOMA端末「らくらくホン シンプル」
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 NTTドコモは12月8日,音声通話に機能を絞った三菱電機製FOMA端末「らくらくホン シンプル」を発売すると発表した(写真)。12月16日から,全国のドコモ取扱店で販売を開始する。想定価格は1万円前後。高齢者向け端末で先行するツーカーのKDDIに対抗する。

 NTTドコモでも,高齢者を主なターゲットとして液晶画面の文字表示が大きく音質がクリアな「らくらくホン」シリーズを展開している。新端末もこのシリーズの一環である。従来の端末で対応していたメールやiモードを,新端末ではあえて省いた。「iモードを使わない,ボタンを大きくしてほしいといったニーズがあった」(NTTドコモ)というのがその理由だ。

 同様の端末は既に「ツーカーS」などがあるが,これらに比べてNTTドコモの新端末はやや高機能。1.3インチのモノクロ液晶ディスプレイを搭載し,発信者の電話番号を表示できる。「誰から電話がかかってきたのか,目に見える安心を提供したかった」(NTTドコモ)。また数字キーに対応した短縮ダイヤルを10件まで登録でき,未登録の相手からの着信を拒否することもできる。

 携帯電話・PHSの人口普及率は7割を超え,端末市場は飽和状態にある。特に学生やビジネスパーソンは,これ以上の伸びが見込みにくい。そこで注目を集めているのが,未開拓の高齢者と子供向け端末市場。NTTドコモは11月に子供向け端末「SA800i」を発表しており,今回のらくらくホン シンプルの発表で,子供向け・高齢者向けの両市場でラインナップをそろえた。