IT分野に特化した調査会社である、アイ・ティ・アール(ITR)は12月7日、国内のIT投資動向に関する調査結果を発表した。それによると、2005年度における国内のIT投資は、前回の調査による見通しから大きく下回った。調査は今年9月に実施。国内企業7500社に調査票を配布し、365社から回答を得た。

 2005年度の予算実績は、前年から「20%以上の増加」が11.4%、「20%未満の増加」が21.6%、「横ばい」が51.4%、「20%未満の減少」が12.2%、「20%以上の減少」が3.5%だった。増加の合計が減少の合計を17ポイント上回っているものの、投資指数で見ると、2004年度の「+2.9」から2005年度は「+2.5」へと後退した。

 ただ、2006年度(2006年4月から2007年3月)におけるIT予算の見通しでは、回復する見込み。調査によると、2006年度のIT予算は前年から「20%以上の増加」が7.4%、「20%未満の増加」が27.9%、「横ばい」が52.9%、「20%未満の減少」が10.1%、「20%以上の減少」が1.6%だった。増加の合計が減少の合計を23ポイント上回る。

 また、売上高に占めるIT予算の割合を調べた結果、前年から0.7%増加し、2.8%となった(有効回答数354件)。2001年の調査開始時には1.3%であり、徐々に増加してきている。業種別では、金融・保険業とサービス業が平均値を上回っている。

 IT予算の使い道について、平均で予算全体の9%をセキュリティ対策に使っていることが分かった(有効回答数311件)。さらに、企業が重視するIT分野としては、「情報・ナレッジの共有・再利用環境の整備」が最も高かった。