日本テレコムは次世代のネットワーク・サービス構想「IRIS」を明らかにした
日本テレコムは次世代のネットワーク・サービス構想「IRIS」を明らかにした
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日本テレコムの弓削哲也専務執行役CTO(右)と安川新一郎インターネット事業部事業部長
日本テレコムの弓削哲也専務執行役CTO(右)と安川新一郎インターネット事業部事業部長
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 日本テレコムは2005年12月2日,IP-VPNや広域イーサネットのサービス・ブランドを「ULTINA」で統一すると発表した。IP-VPNサービスのSolteriaは「ULTINA IP-VPN」,広域イーサネットWide-Etherは「ULTINA Wide Ethernet」となる。このほか,主要な法人向けサービスをULTINAブランドに変更していく。

 ULTINAの各サービスは,同社が同日明らかにした次世代のネットワーク・サービス構想「IRIS」をベースにする(写真上)。IRISでは,アプリケーションとネットワーク・サービスを統合的に提供したり動的に制御できる。ユーザーが欲しいサービスを必要な時に必要なだけ提供できることを目標としている。モバイル環境での利用も取り込んでいく。

 日本テレコムは「ULTINA」の目玉となる新サービスとして,「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatを投入する。日本テレコムのデータ・センター側でアプリケーション・サーバーを用意して,ユーザーが必要な分だけ処理能力を調達できる。例えば,商取引のWebサイトでアクセスが集中したときのみ,サーバーの能力を追加するなどだ。ネットワーク帯域の動的制御といった機能も提供する。

 「ULTINA On Demand Platform」KeyPlatの第一弾として,2006年1月から日本オラクルのデータベース・システムとアプリケーション・サーバーを利用したサービスを始める。料金体系は,定額と従量の両方を用意する。これらサーバーのライセンスやその料金も日本テレコム側で管理する。アプリケーションとしては,電子商取り引きのWebサイト,在庫管理や経理,顧客管理やグループウエアなど様々なものを想定している。

 日本テレコムの弓削哲也専務執行役CTOはこれらのサービス基盤の整備について「世の中にあるテクノロジーを集めて開発していく。投資は200億から300億円。需要が大きければ,さらに検討する」と強気な姿勢を見せる(写真下)。日本テレコムはIRIS構想をベースとして次世代のネットワークを構築していく見通し。「2010年がIRISの一つの普及時期」(弓削専務執行役)。従来のSolteriaやWide Etherについても「改修し,機能を拡張していく」(安川新一郎インターネット事業部事業部長)。

 なお,ULTINAはUltimated Networking Architectureから作った造語である。