マイクロソフトは12月1日,サーバー向け仮想マシン・ソフトの新版「Virtual Server 2005 R2」を発表した。4CPUまで対応するStandard Editionと,32CPUまで対応するEnterprise Editionの2種類がある。ボリューム・ライセンスでは同日から,パッケージでは2006年1月20日から発売する。

 既存のVirtual Server 2005に比べて価格を大幅に値下げした。R2 Standard Editionの価格はボリューム・ライセンスのOpen Businessの場合が2万200円(従来製品は8万9500円),パッケージが2万2800円(同9万9800円)。R2 Enterprise Editionの価格はOpen Businessの場合が4万500円(同19万円),パッケージが4万5800円(同21万1000円)。価格はいずれも推定小売価格である。

 新たに,(1)あるホストで実行されるすべての仮想マシンをクラスタ化するVirtual Serverホスト・クラスタ機能,(2)iSCSIのサポート,(3)Windows Server 2003, x64 Editionsへの対応,(4)仮想マシンのネットワーク・インターフェースのPXEブート機能——などが追加された。なお,マイクロソフトは2005年4月,Virtual Server 2005 R2で,LinuxなどWindows以外のOSに対応する構想を発表したが,12月1日現在,詳しい情報は発表されていない。

 Virtual Server 2005 R2は,Windows Server 2003専用に設計された仮想マシン・ソフト。異なる複数のOSを1台の物理マシン上で稼働でき,各OSが独立したコンピュータとして動作する。サーバーの集約や移行,開発したソフトウエアのテストなどに利用できる。マイクロソフトは,「Virtual Server 2005 R2は,Virtual Server 2005に比べて処理性能が向上しており,同時にWindows Server 2003, x64 Editionsに新たに対応することによって,1台のサーバー機でより多くの仮想化環境を実現できる」としている。

 Virtual Server 2005 R2による仮想化環境への対応を促進するため,マイクロソフトはインテルと協力し,以下のハードウエア/ソフトウエア・パートナ各社と,仮想環境に対応した製品を拡充するとしている。Virtual Server 2005 R2による仮想環境への対応を表明している企業は次の通り。インフォベック,FFC,OSK,オービックビジネスコンサルタント,沖電気工業,コンピュータ・アソシエイツ,シーイーシー,シトリックス・システムズ・ジャパン,シマンテック,ディーバ,デル,東芝,トレンドマイクロ,NEC,日本IBM,日本ヒューレット・パッカード,日本ユニシス,ネットジャパン,ピー・シー・エー,日立製作所,富士通。