NEC取締役執行役員専務の小林一彦氏(右)と米ストラタステクノロジー社長兼CEOのデビッド・J・ロレロ氏
NEC取締役執行役員専務の小林一彦氏(右)と米ストラタステクノロジー社長兼CEOのデビッド・J・ロレロ氏
[画像のクリックで拡大表示]

 NECと米ストラタステクノロジー(ストラタス)は11月25日,無停止型(フォールト・トレラント)サーバー分野において両社の提携を強化すると発表した。ハードウエアとソフトウエアの開発・製造を分担して共同開発し,資本提携も行う。

 無停止型サーバーはCPUやメモリー,入出力(I/O)インタフェースなどサーバを構成する装置部品を2重化し,ハードウエア障害が発生した場合も自動的に稼働し続けることが可能なサーバー。両社は今年6月からNECの「CLUSTERPRO SingleServerSafe」と,日本ストラタスの無停止型サーバー「ftServer」を組み合わせたシステムを共同で販売していた。2005年は両社合計で3200台を出荷している。

 新たな提携では,今まで両社が行っていたハードウエアの開発・製造をNECに集約し,制御ソフトウエアの開発をストラタスが担当する。こうすることで,開発の効率化や製造コストの低減を見込めるという。

 NECでは既に,次世代のCPUや高速化した入出力装置に対応した無停止型サーバー用のLSIを開発しており,現在最終テスト中だという。現行のLSIでは高速化したデュアルコアなどの次世代のCPUに対応していなかったため,誤作動の可能性があった。さらに,ノースブリッジなど3つのLSIを1チップ化し,製造コスト削減にも成功したという。新LSIを搭載した無停止型サーバーは2006年1月末に出荷予定。

 NECは米ストラタスに対して900万米ドルを出資する。出資比率にして3%となり,世界規模での無停止型サーバーの拡販を見込む。「3年後の2008年には現在の3倍以上,2社合計で1万1000台の出荷を見込んでいる」(NEC取締役執行役員専務の小林一彦氏)という。