米ストラタスのデイビッド・ローレロ社長兼CEO(左)とNECの小林一彦執行役員専務(右)
米ストラタスのデイビッド・ローレロ社長兼CEO(左)とNECの小林一彦執行役員専務(右)
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 NECと米ストラタスは11月25日、協業関係を強化し、無停止型サーバーを共同で研究・開発すると発表した(写真)。ハードウエアの生産はNECが担当し、多重化したハードウエアの制御ソフトウエアの開発をストラタスが担当する。両社はすでに今年6月から、ストラタスのハードウエアにNECのクラスタリング・ソフトの「CLUSTERPRO」を搭載して共同販売している。

 無停止型サーバーとは、プロセサやメモリー、入出力装置、ハードディスク、電源などサーバーを構成する装置部品を多重化して、ハードウエア障害が発生した際にシステムを止めることなく稼働し続けるように設計したマシンのこと。

 NECは高速化するプロセサやI/O装置に対応するため、無停止型サーバー用のLSIを新たに開発した。現行の無停止型サーバーは、多重化されたプロセサやメモリーなどが同じタイミングで稼働しているかどうかを専用チップで確認している。「Xeonのクロック周波数は3GHzに達している。現在のチップでは、クロック周波数が高いため、ずれが生じ誤検知してしまう可能性があった」と小林一彦取締役執行役員専務は新LSIの開発経緯を話す。そこでNECは、無停止型サーバー専用チップとプロセサ、およびI/O装置を接続するノースブリッジを一体化してプロセサの高速化に対応した。

 米ストラタスのデイビッド・ローレロ社長兼CEOは「NECの技術を取り込むことでさらなる成長が見込める」と語る。日本では、NECとストラタス以外にも無停止型サーバーを出荷しているが、「富士通や日本IBMでは、OSはWindowsに限られている。当社の製品はLinuxも搭載できる。世界的にみれば無停止型サーバーの台数シェアは9割をNECとストラタスの製品が占める」(小林一彦執行役員専務)という。

 新LSIを搭載した無停止型サーバーは来年1月末に出荷予定。「2005年にはNECとストラタスの両社を合わせて年間3200台の出荷を予定している。2008年には現在の3倍以上の2万台強を出荷したい」(同)と意気込む。