日経BPガバメントテクノロジー、日経パソコンが2005年11月18日に開催した「第7回 全国電子自治体会議」では、ネオジャパン、アドビ システムズ、サン・マイクロシステムズ、トレンドマイクロの担当者が、自社の自治体向け製品を紹介した。

 ネオジャパンは、グループウエア「desknet's」を紹介。desknet'sはWebベースのソフトで、スケジュール管理や電子会議室など22の機能を備える。グループウエアは、企業での利用に加えて、自治体でも採用する動きが出てきている。先進事例の一つとして、同社は神奈川県二宮町の例を取り上げた。同市は住民向けポータルサイト「eまちづくり」をdesknet'sで構築。電子掲示板や電子会議室で住民同士が意見を交換したり、電子回覧板で情報を共有したりできるとした。

 アドビ システムズは、PDF作成ソフト「Acrobat 7.0」を紹介した。事例として横浜市を取り上げた。横浜市は、役所内でやりとりするさまざまなタイプの文書をAcrobatを使って一つのPDF文書に統合。アプリケーションをいくつも起動する手間を軽減した。また、アニメーション付きのPDF文書を作成することで、職員向けのeラーニングにも活用しているとした。続いて、住民向けに配布する文書に対し、アクセス制限を設定できるサーバー製品「LiveCycle Policy Server」についても触れた。同サーバーにより、一定期間を過ぎたら、配布済みのPDFファイルを住民が開いても有効期限切れとして閲覧できないようにしたり、特定の住民にのみ閲覧を許可したりできるようになる。

 サン・マイクロシステムズは、同社の考えるセキュリティの姿について講演した。昨今多数発生しているセキュリティ関連の事件や事故を踏まえ、登録済みの個人情報や認証のためのIDやパスワードがネット上に散らばっていることは問題だと指摘。自治体や企業が共通して使えるセキュリティ基盤が必要だとの見方を示した。そのためにサンが提供できる製品は3つあるとし、サーバーの堅牢性を高めるOS「Solaris 10」、端末のぜい弱性を排除するシンクライアント「Sun Ray」、そして本人認証とアクセス制御を実現するICカード「Javaカード」を紹介した。

 トレンドマイクロは、ウイルス以外にも自治体が対策すべき脅威が出てきていると警鐘を鳴らした。ボット型ウイルス、スパイウエア、スパムメールがその代表で、これまでのウイルス対策では対処が難しいとした。ボット型ウイルスは、感染すると外部からロボットのように操作される恐れがあるもの。パソコン内部のファイルを抜き取られたり、スパムメールの踏み台などさまざまな不正行為の温床となる。スパイウエアはこっそり個人情報などを外部へ送信するもの、スパムメールはいわゆる迷惑メールである。

 これら3つの脅威に対処できるものとして、トレンドマイクロはいくつかの自社製品を紹介した。「Network VirusWall 1200/2500」は、パケットレベルでウイルスを検出しボット型ウイルスの侵入も防ぐことができる専用機器。「InterScan Web Security Suite」はサーバーソフトで、ウイルスに加えてスパイウエアやフィッシングを防ぐ機能も備える。「Network Reputation Services」は、メール受信時にスパムメールかどうかネットワーク経由で照会できるサービス。スパムメールと判断した場合には、受信をブロックする。