写真1●The Apache Software Foundation共同創設者Brian Behlendorf氏
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写真2●会場風景
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写真3●東京工科大学 Linuxオープンソースソフトウェアセンターが開発中のLinux携帯電話
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 「ソフトウエアは完成してから公開するのではなく,未完成でもいいから公開して使ってもらうべき」---11月24日,The Apache Software Foundationの共同創設者であるBrian Behlendorf氏が来日。日本のオープンソース・プロジェクトによるプレゼンテーションを聞き,それぞれのプロジェクトに助言を行った。

 この日開催されたのは,オープンソース・プロジェクトの支援を行っている団体「OSCJ.net(OpenSource Collaboration Joint Network)が主催した「OSCJ.net 第一回 OSSプロジェクト公開会議」。

 Behlendorf氏は,Apache Web ServerやTomcat,Strutsなど30を超えるプロジェクトを抱えるThe Apache Software Foundationの共同創設者であると同時に,Firefoxなどを開発するMozilla Foundationの理事を務める。ソフトウエア開発環境を提供するCollabnetの創設者でもある。OSCJ.netには,米Collabnetがバージョン管理システムやメーリング・リストなどのソフトウエア開発環境を提供していることから,今回のイベントへのBehlendorf氏の参加が実現した。

 プレゼンテーションを行ったのはLinuxカーネル・ダンプ解析ツール「Alicia」,Javaで書かれたベンチマークツールキット「Jbento」,ルネサステクノロジのCPUH8/300で動作するLinux「uClinux」,Cobaltの管理ツールをベースとする「BlueQuartz」,J2EEフレームワーク「Ninja-VA」,DIコンテナ「Seasar2」といった,OSCJ.netが支援しているプロジェクト。またハイビジョン講義収録ソフト「chalktalk」や分散ファイル・システム「Community Strage」,Linux携帯電話などを開発している東京工科大学 Linuxオープンソースソフトウェアセンターも参加した。

 Behlendorf氏はオープンソース・コミュニティ運営の原則を「謙虚であれ(他の開発者に敬意を払おう)」,「透明であれ(意思決定を独断で行わない)」,「(開発者のニーズだけでなく)ユーザーのニーズを考慮しよう」と説く。その言葉どおりに日本の各プロジェクトのプレゼンテーションを熱心に聞き,「もっと多くの開発者に参加してもらいたい」と悩むプロジェクト運営者に対し「ソフトウエアを作り始める前,アイデアの段階で公開して意見を求めるほうがいい」,「問題を登録して対応状況を追跡できるトラッカーを設置すべき」など,プロジェクトの方針から実務にかかわる問題まで丁寧にアドバイスを行っていた。