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「ユビキタスネット時代こそ情報活用が重要に」、野村総研が2010年の技術を予測

2005/11/24
高下 義弘=ITPro

 「大量に発生する情報をいかに収集し、分析し、活用するか。情報が行き交うユビキタス・ネットワーク時代は、これに焦点が当たる」。野村総合研究所(NRI)の中元 秀明 技術調査室長はこう語る。

 NRIは11月24日、2010年までの日本の情報技術の進展を予測した「ITロードマップ」を発表した。NRIが特に注目しているのが、センシング分野。無線ICタグ(RFID)や、有線/無線ネットワークに接続する小型センサーが、「今後ユビキタスネット社会の重要な位置を占める」(中元室長)と強調した。近年、「センサー・ネットワーク」というキーワードで注目を集めつつある分野だ。嶋本 正 常務執行役員情報技術本部長は、「IPv6の普及と共に、2010年にはセンサー・ネットワークが実用化されるだろう」とみる。

 無線ICタグや非接触型ICカードの普及、有線/無線ネットワークの整備、そしてセンサー・ネットワークの構築といった形で社会の“ユビキタス化”が進むと、新しいサービスやコンテンツが生まれてくる。嶋本常務は「インターネットは、EC(電子商取引)、オークション、ブログなど新しい商業やコミュニケーションの土壌になった。ユビキタス・ネットワークの進展で、さらに新しい利用形態が生まれてくるはずだ」と語る。

セマンティックWebや次世代BIに注目

 「ユビキタス・ネットワーク化により、ネットワーク上で発生した大量の情報を集め、取捨選択し、効率的に活用するための技術の重要度が、これまで以上に高まる」(嶋本常務)。NRIがそうした技術の代表例として挙げるのが、「セマンティックWeb」と「次世代BI(ビジネス・インテリジェンス)」だ。

 無線ICタグを使ったシステムや、センサー・ネットワークでは、人やモノ、環境の動きについてのデータが、絶え間なく発生する。大量に発生したデータを人間にとって使いやすいように整理するうえで、セマンティックWebが有効だという。セマンティックWebはWebコンテンツなどのデータにセマンティック(意味)情報を付加し、コンピュータがその意味に沿って処理できるようにする技術である。

 ユビキタス・ネットワークが整備されると、現実世界の状況を逐一、データとしてシステム上に反映できるようになる。しかし、データを素早く分析し、判断に結びつける材料を抽出するシステムがないと、大量のデータは意味をなさない。次世代BIはそうした推論からNRIが挙げているものだ。

 NRIが挙げる次世代BIの構成要素はいくつかある。データをリアルタイムに分析し判断の材料を提供する「リアルタイムBI」や、データ・ウエアハウスを高速に構成するための技術などだ。

 次世代BIは日本版SOX(サーベンス・オクスリー)法とも関係するという。次世代BIを使えば、不正な業務の監視など、日本版SOX法に順守するための分析がしやすくなるからだ。NRIは、無線ICタグの利用や、日本版SOX法への準備が本格化する2007年以降、次世代BIの利用が拡大すると予測している。

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