地銀最大手の横浜銀行は11月24日、ほくほくフィナンシャルグループ傘下の北陸銀行・北海道銀行と、基幹系システムの共同化に向けた検討を開始すると発表した。ITベンダーでは、NTTデータが参加する。2009年度以降の稼働を目指す。

 3行は、共同システムで採用する勘定系アプリケーションについて「これから詰めていく」(横浜銀行経営企画部広報IR室)としている。ただ、NTTデータが検討に参加していることから、同社が富士通や日立製作所と共同開発しているオープン勘定系パッケージを採用し、オープン環境で新規構築する公算が大きい。共同化の範囲は、勘定系システムや対外系システムだけでなく、情報系システムまで拡大することも視野に検討していく。

 横浜銀行は現在、NTTデータにシステム全般の開発・運用をアウトソーシングしている。北海道銀行も同様だ。これに対し、北陸銀行の開発担当は富士通。共同化に伴い、富士通は北陸銀行のシステム案件を失う可能性が高い。ただ、3行はいずれも、富士通製メインフレームで、現行の勘定系システムを動かしている。こうした関係から、共同システムの動作プラットフォームの発注先としては、富士通が最有力候補と見られる。

 今回の共同化構想は、NTTデータが京都銀行や千葉興業銀行などに提供している共同システム「地銀共同センター」とは別。3行のうち北海道銀行は、地銀共同センターへの参加を表明していたが、今回の発表により、地銀共同センターへの参加を取りやめたことになる。

 3行はシステムの共同化により、年々増加するIT投資の負担を減らしながら、ITを使った新サービスの迅速な提供を目指す。今回、次期システム構想の表明で他行に出遅れていた横浜銀行が、システム共同化を初めて正式発表したことで、地銀でのシステム共同化がさらに加速しそうだ。