米EMC EMCストレージ・ソフトウェア アジア・パシフィック・ジャパン プロダクト・マーケティング・ディレクターのP.K. Gupta氏
米EMC EMCストレージ・ソフトウェア アジア・パシフィック・ジャパン プロダクト・マーケティング・ディレクターのP.K. Gupta氏
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 「電子メールのアーカイブはテープでは駄目。オンラインですぐに検索できるディスクが必須。保存した大量の電子メールの中から欲しいメールを20分以内に探し出せるようにしておかなければ,裁判で負ける可能性がある」---。ストレージ大手の米EMCでストレージ・ソフトをアジア地域に販促するP.K. Gupta氏は,来るべきSOX法を踏まえ,アーカイブ媒体としてのディスクの優位性を強調した。

 現在,電子メールは企業間取引の手段として一般的である。取引の証拠を残すため,従業員がやり取りする電子メールのすべてを保存(アーカイブ)する需要が高まっている。米国の金融機関ではすでに電子メールをアーカイブしている。国内のユーザー企業においても,正確な財務情報の開示や監査手法を定めたSOX法などの要請を受け,電子メールのアーカイブに対する需要は高まっている。

 米EMCは2001年以降19社を買収し,2003年にはソフトウエアをベースとするILM(情報ライフ・サイクル管理)を企業コンセプトとして打ち出してきた歴史を持つ。同社が買収したILMのためのソフトウエア企業には,バックアップを中心とするILM大手の米LEGATO Systems,文書管理の米Documentum,システム資源管理の米SMARTSなどがある。P.K. Gupta氏も元々は米LEGATOに勤務していた。

 アーカイブはバックアップと異なり,書き込んだデータが更新されないという特徴を持つ。この特徴に合わせ米EMCは,更新がかからないデータ,つまり電子メールのアーカイブ保存用のストレージ「Centera」も用意している。特徴は,ファイル名による管理ではなく,データを一方向ハッシュ関数にかけた結果(ハッシュ値)を用いて個々のデータの違いを管理する点である。この方式をCAS(Content Addressed Storage)と呼ぶ。CASの利点は2つある。データが多くなるとファイル名では管理できなくなる点と,同じ内容のデータからは必ず同じハッシュ値が得られるためデータの2重保存を防止できる点である。