広告事業について説明するマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO
広告事業について説明するマイクロソフトのスティーブ・バルマーCEO
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 「広告事業をマイクロソフトの収益の柱に育てる。Windows Live、Office Liveはそのための重要なツールだ」——。米マイクロソフトのスティーブ・バルマーCEOは11月17日、都内で開いた日本版MSNのパートナー企業向けコンファレンスで語った。

 同社は去る11月1日、米国でWindows Live、Office Liveを発表している(関連記事1関連記事2)。バルマーCEOはこれらの新サービスについて、「WindowsやOfficeといったパッケージ製品を置き換えるものではなく、補完するもの」と説明した。有料のソフトウエア提供サービスなどを用意するものの、主な収入源はWebメールなどに付随する広告である。

 現在、米マイクロソフトの売上高約400億ドルのうち、広告の売り上げは約20億ドルに過ぎない。そのほとんどはMSN事業によるものだ。バルマーCEOは、Xbox Liveに、Windows LiveとOffice Liveを加えたサービス群を「Liveプラットフォーム」と呼ぶ。同社は、これらを受け皿媒体として早期に100億ドルの広告売上達成を目指す。

 Windows LiveやOffice Liveでは、Ajaxなどの新しいWeb技術を駆使することで、新しいオンライン広告表現を確立することを目指している。「広告の表示を消費者自身がコントロールできるようにし、不快な思いを抱かれないようにする。個々の趣向に合ったパーソナライゼーションも重要だ」(バルマーCEO)。

 日本法人についても、広告事業の強化を図るため、「来年度、MSN事業部の社員を倍増する」ことを明らかにした。現在の人数は約100人だが、積極採用を進めて約200人とする予定である。ただし、日本でのWindows Live、Office Liveの開始時期については明言しなかった(Windows Liveについては、現在、日本語版Webサイトがベータ版として提供されている)。