日本オラクルは、米オラクルが年内に提供開始を予定する無償データベース・ソフト「Oracle Database 10g Express Edition」を、日本国内で提供しないことを明らかにした。Express Editionは、Oracle Database 10g Release 2に機能制限を加えたもの。オンライン・バックアップや管理ツールが使えないほか、日本語などの2バイト文字を使うことができないため、日本での提供を見送る。Express Editionは、米マイクロソフトの無償版データベース・ソフト「SQL Server 2005 Express Edition」への対抗策として米オラクルが提供を予定するもの。日本オラクルのSQL Server対抗策は、従来通り、搭載CPU数の少ないサーバー環境に限定し、価格を下げた製品「Oracle Standard Edition One」を中心に展開する予定である。

 マイクロソフトは、SQL Server 2005 Express Editionを日本でも12月中にダウンロード提供すると言明している。商用版と比較し、CPUが1個まで、データベースの容量が4Gバイトまでという制限はあるが、商用版と同様のユーザー・インタフェースを持つ簡易管理ツールを新たに付くほか、接続できるユーザー数が無制限になる。マイクロソフトでは、Express EditionをAccessからの移行を促進する目的とし、オラクルなど競合製品からの移行は、25~50%の値引きで対抗する。これまで、SQL Serverの無償版「MSDE」は、開発者が学習用に利用するほか、商用のシステム管理ツールでログを格納するデータベース・ソフトとして利用されてきた。

 また日本IBMは、個人で利用できるデータベース・ソフト「DB2 Personal Developer's Edition」を無償でダウンロード提供しているが、スタンド・アローン環境に限定し、本番環境での使用を認めていない。