エンタープライズ・アプリケーションの基盤として.NETがトップシェアであることを主張した
エンタープライズ・アプリケーションの基盤として.NETがトップシェアであることを主張した
[画像のクリックで拡大表示]

 マイクロソフトは11月17日,「SQL Server 2005」と「Visual Studio 2005」の日本語版を正式発表した。日本語版の開発は12月15日に完了し,同日から開発者向け会員サービスである「MSDN」の会員用サイト「MSDN Subscription」でダウンロードできるようになる。また両製品の無償版である「Express Edition」のダウンロード提供も12月中に始まる予定。

 米MicrosoftのSteve Ballmer CEOは,同日東京都内で開催された「Microsoft Conference 2005」の基調講演で,「Webサービスの開発を容易にするVisual Studio 2005によって,人々とビジネス・プロセス,人々とビジネス・インフォメーションを接続するソリューションの開発が容易になる。またVisual Studio 2005で追加される『Team System』は,開発者同士を接続して協業を容易にするものであり,Visual Studio 2005で実現する『Dynamic Systems Initiative』は開発者とシステム管理者を接続して管理情報のやり取りを容易にする」と述べ,Visual Studio 2005の特徴が接続性であると強調した。

 Ballmer CEOはミッション・クリティカル・アプリケーション分野での.NETの成功もアピールした。米国の独立機関の調査によれば,ミッション・クリティカル・アプリケーションの開発プラットフォームに占めるシェアは.NETが35%,Java/J2EEが25%,メインフレームと.NET以外のWindowsがそれぞれ16%であるという。信頼性やスケーラビリティが向上するSQL Server 2005が登場することによって,ミッション・クリティカル分野での.NETやWindowsの採用がますます加速すると主張した。Ballmer CEOの基調講演にゲストとして参加した富士通の秋草直之会長は「SQL Server 2005も富士通のミッション・クリティカル分野用IAサーバーである『PRIMEQUEST』も,それぞれにミラーリングといった障害対策機能を備えている。ソフトウエアとハードウエアのミラーリング機能を組み合わせることによって,メインフレームを超える信頼性が実現する」と述べた。

 Ballmer CEOは「Windows Server 2003 R2」についても触れ,「Windows Server 2005という名称にしなかったのは,ユーザーが(仕様が大幅に変更する)メジャー・バージョンアップに対して神経質になっているため。Windows Server 2003 R2は,仕様の大幅な変更なしに,ストレージ管理機能の追加などの機能強化を実現している」と述べた。

 マイクロソフトはSQL Server 2005の発表に合わせて,Oracleマイグレーションの大規模なマーケティング・キャンペーンも発表している。OracleやDB2,Infomix,SybaseなどのSQL Server競合製品のユーザー企業に対しては,SQL Server 2005 Enterprise Editionを50%引きで,SQL Server 2005 Standard Editionを25%引きで販売するという。ソフトウエア・アシュアランスの購入が条件だ。