ソニーとドイツBertelsmannの合弁会社Sony BMG Music Entertainment(以下,ソニーBMG)は11月16日,「XCP」違法複製防止ソフトウエアが含まれる同社の音楽CDを交換ならびに回収することを明らかにした。
XCPには自身の存在を隠すために「ルートキット」の手法が用いられているとして,ユーザーや専門家などから非難されていた(関連記事)。XCPの機能を悪用すれば,ウイルスなどの悪質なプログラムが,自分の姿を対策ソフトなどから隠すことが可能となるためである。
つまり,XCP入りの音楽CDをパソコンで再生すると,セキュリティ・ホールが作られることになる。実際,この機能を悪用して対策ソフトに検出されないようにするウイルスが出現している。
このためアンチウイルス・ベンダーや米Microsoftなどは,ルートキットの機能を持つXCPのモジュールを,悪質なプログラム(ウイルス)の一種として検出・駆除することを発表している(関連記事)。
また,同社が公開したXCP用アンインストール・ツールに問題があったことも,非難に拍車をかけた(関連記事)。
そこで今回,XCPを含む音楽CDを,XCPを含まない同じCDに交換することを発表。XCP入りの未販売CDを回収することも明らかにした。XCPを含む音楽CDのタイトル一覧も公表している。
同社では,「今回の件で顧客に不便を強いたことを深く後悔している(We deeply regret any inconvenience this may cause our customers)」としている。
◎参考資料
◆To Our Valued Customers
◆CD’s Containing XCP Content Protection Technology