[画像のクリックで拡大表示]

 NTTデータと日産自動車、イッツ・コミュニケーションズ、トレンディ、東急セキュリティの5社はこの12月から、ICタグを使って交通事故数を減らすための実証実験「アイセイフティ 交通安全サービス」を開始する。見通しが悪い住宅地を走行する運転者に対し、近くに子供がいることを知らせることで交通事故を防止する。

 実験は、神奈川県横浜市青葉区の青葉台駅周辺を含む約2キロ・メートル四方で実施する。同地域の地域住民を主な対象に、子供約200人、ドライバ約100人を募集。子供にはICタグが入ったお守り袋(写真)を携帯させ、自動車にはICタグと「情報提供装置」を設置する。ICタグを持った子供と自動車が約200メートル以内に接近すると、自動車の「情報提供装置」から「子供がいます注意してください」というアナウンスを流す。

 アイセイフティのインフラとして、ICタグの電波を受信する無線LAN基地局を20カ所配置する。基地局はイッツが所有するケーブルテレビの伝送路に置く。ICタグは常時基地局に向けて電波を発し、その電波を受信した基地局は、基地局の位置情報とICタグの個別IDをデータセンター内の「位置情報取得サーバー」に送る。三角測量の仕組みで、子供と自動車の位置をそれぞれ把握する。子供がいるエリア内に自動車が入って来ることを検知すると、基地局から自動車内の情報提供装置に、アナウンスを流すよう指示を出す。

 今回の実験は、2005年4月から7月にかけてNTTデータ、イッツ、東急セキュリティの3社が実施した実証実験に続く第2弾。前回は、子供にICタグを携帯させ、保護者が子供のいるエリアをインターネット上で検索できる「エリア検索」や、子供がICタグに付いているボタンを押すと、付近の支援者や東急セキュリティの警備員に通報する「通報駆けつけ」などを実験した。これら内容は今回、継続して実験する。