Windows Mobile携帯「W-ZERO3」を掲げるMicrosoftのSteve Ballmer CEO
Windows Mobile携帯「W-ZERO3」を掲げるMicrosoftのSteve Ballmer CEO
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 米MicrosoftのCEOであるSteve Ballmer氏は,このほど来日し,11月16日にマイクロソフト認定パートナ総会で基調講演を行った。同氏は,今後12カ月以内に登場する次期主力製品「Windows Vista」と「Office 12(開発コード名)」に触れ,「Windows VistaよりもOffice 12の方が,パートナにより大きな成長機会をもたらすだろう。Office 12は,VoIPやビジネス・インテリジェンスの新たな基盤になる。Office 12を核にしたソリューションによって,顧客に対してより大きな価値を提供できるだろう」と力説した。

 この講演は,マイクロソフトのパートナ企業に対して,同社の今後の注力分野やパートナ施策などを説明するもの。Ballmer CEOは同社が今後投入する製品のコンセプトを「家庭や職場,ビジネス生産性向上,アプリケーション開発など様々なシーンをつなぐ『パイプライン・プロダクト』」であると述べた。そのようなコンセプトを象徴する製品として,ウィルコムが12月に発売する予定のWindows Mobile搭載携帯「W-ZERO3」を手に取り「これさえあれば,企業のネットワークに接続してExchange Serverを利用したり,.NETアプリケーションを利用したり,キーボードからデータを入力したりと何でもできる」と激賞した。

 また同氏は「マイクロソフトが提供するのは,技術革新だけではない。マーケティングの革新も進め,パートナのソリューション・ビジネスをより容易にする環境を作り出す」と力説した。その上でカギとなるのが,2006年末に発売する予定の次期オフィス製品「Office 12」だという。「Office 12はVoIP機能を統合し,ワークフロー管理機能を持ち,ビジネス・インテリジェンスのツールとなる」(同)。様々なソリューションが可能となるため,パートナのビジネス機会は,Windows VistaよりもOffice 12の方が大きくなると主張した。

 より長期的な見通しとしてBallmer CEOは,「ソフトウエアは,パッケージとして販売されるのではなく,サービスとして購読されたり広告収入をベースに消費者に提供される存在になるだろう」と述べた。既に米国で発表した「Windows Live」や「Office Live」については触れなかったが,同社がサービス主体のビジネスに移行しつつあることを,パートナ企業に対しても示した格好だ。