ヤフーの殿村英嗣オークション事業部長
ヤフーの殿村英嗣オークション事業部長
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 「Yahoo!オークション」を運営するヤフーは11月14日,オークションの不正出品や詐欺対策として,犯罪捜査などで利用されているデータ・マイニング技術を使った不正利用検知システムを導入すると発表した。投資金額は1億円程度で,データ・マイニングのノウハウを持つ金融エンジニアリング・グループと協力してシステムを開発し,12月から稼働させる。「これまでは不正出品の削除などは完全な手作業に頼ってきたが,より緻密な不正対策を施すのが狙い」(殿村英嗣オークション事業部長)という。

 Yahoo!オークションが導入する不正利用検知システムは,500万以上のYahoo! JAPAN IDと,平均総出品数850万以上の出品物データから,商品説明の内容や出品時間,出品場所などを分析。不正利用者の行動パターンをモデル化し,そのモデルに一致する出品に対して,出品削除などの対処をするというデータ・マイニング技術を取り入れている。具体的には,以前は落札のみを行っていたユーザーが,ノート・パソコン30台を一度に出品するなど,従来の利用パターンとかなり異なった利用などを自動検知する。検知されたものに対しては,必要に応じて出品削除などの対処をするが,「最後の判断は人がすることになると思う」(殿村事業部長)としている。

 ヤフーでは,これまでもYahoo!オークションの不正利用対策として,本人確認の強化やID登録制限,365日24時間体制で全出品を監視するパトロールなどを実施してきた。同社では「ここ数年のオークション事業の伸び悩みの大きな原因の一つは不正利用にある」(殿村事業部長)とみており,パトロール人員の増員など今後も不正利用対策を強化していくとしている。