米Microsoftの関係者によると同社は,Windows Vistaベータ2の提供を12月7日から2006年1月または2月にまもなく延期する。Vistaの開発スケジュールはタイトだが,ベータ版の次の段階である製品候補版(RC)の提供までには遅れを取り戻すつもりのようだ。

 同社広報によると,Windows Vistaの提供は,計画された2006年後半から変わっていない。「開発はきちんと進んでおり,計画通り高い品質の製品を出荷することを約束する。開発チームは社内的な目標を立てているが,それにはコメントできない。また,Vistaでは開発の途中段階の提供物について特定の日時は発表していない」という。

 さらに「顧客は,Community Technology Preview(CTP)プログラムで,もっと頻繁に試用版を提供してほしいとよく要望してくる。CTPプログラムによって,顧客によるテストとフィードバックがリアルタイムに得られるようになった。従来はベータ版を通してしか得られなかったものだ。MicrosoftはCTPプログラムによる試用版をこれから複数の月において提供するように力を入れていくので期待してほしい。これによってCTPプログラムを引き続き成功させていく」と述べた。

 以前,Microsoft関係者はベータ2の提供が,少なくとも12月遅くになるとしていた。今回の提供延期は,ベータ2の内部的な出荷スケジュールが,さらにせっぱ詰まったものになっていることを示している。

 Windows Vistaベータ2は,ベータ・テスターのほか,広く一般に配布すると考えられている重要な位置付けの試用版である。ただし,今回の遅れは,Internet Explorer(IE)7.0ベータ2やWindows Media Player 11ベータ1などの関連製品の提供にも影響を及ぼす見込み。いずれも,Vistaと同じ12月7日に公開される予定だった。