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 データベースなどの暗号化ソリューション「Ingrian DataSecure Platform」を提供する米イングリアン・ネットワークスが、日本市場に参入した。日本ではマクニカネットワークスが今年12月から出荷を開始し、初年度30システムの販売を目指す。このほど来日した米イングリアン・ネットワークスのチャック・ニールセンCOO(最高執行責任者)に日本での販売戦略などを聞いた。

◆多くのセキュリティベンダーがネットワークセキュリティ製品を提供し、外部からの侵入の脅威に対する対策は浸透しているが、データセンター内部のデータのセキュリティ対策は、これまで手付かずの状態だった。だが、社内犯行によるデータ盗難の脅威が増大し、コンプライアンスの観点からも、ユーザー企業は、顧客情報などのデータそのものを暗号化して保護するニーズが高まっている。

◆これまでデータベースの暗号化は、パフォーマンスの問題や、アプリケーション開発に手間がかかるなどの問題があった。だが、技術の進展によりこうした課題を克服したソリューションが提供できるようになり、市場は急速に立ち上がった。当社のユーザーは現在40社に達しており、現在も約40社が導入を検討している。ワールドワイドでの今年の第1四半期(8~10月期)の売り上げは、前年同期比で427%増と急速に伸びた。今後も大きな伸びが続く見通しで、今年度の売上高は、前年比133%増を見込んでいる。

◆当社が提供するDataSecure Platformは、ハードとソフトを組み合わせたアプライアンス製品で、データベースサーバーのパフォーマンスに影響を与えずに暗号化できる。データの暗号化や鍵の管理、ポリシー管理を集中して行うことができ、管理コストも削減可能だ。また、データベースサーバーだけでなく、Webサーバーやアプリケーションサーバーのレイヤーでの暗号化機能も備え、複数のレイヤーの暗号化を組み合わせることで、強力なセキュリティを実現できる。

◆日本市場でも米国と同じく、金融機関、クレジットカード、小売り、政府などが主要なターゲットユーザーだ。米国では当初、この製品の必要性を認知してもらうのに時間がかかった。日本市場は今、15カ月遅れで米国と同じ経験をしている。米国、欧州と並ぶ重要な市場で、今後は急成長が見込める。現在の当社の製品は大企業がターゲットだが、2006年には、大企業の地方拠点向けの製品や、中堅企業向けの製品を投入して販売を加速する。

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