11月9日に公開されたWindowsの更新プログラム(修正パッチ)が,パッチの自動配布ツール「SUS(Software Update Services)」に配信(同期)されないトラブルが発生している。現時点(11月10日正午)でも解消されていない。マイクロソフトでも確認しており,現在は調査および復旧作業を実施している最中。「Windows Update」や「Microsoft Update」,「Windows Server Update Services(WSUS)」では問題なく配信できているという。

【11月10日追記】マイクロソフトは11月10日夜,SUSが復旧したことを明らかにした。現在では,SUSを通じて最新のパッチを適用できる。【以上,11月10日追記】

 SUSとは,同社が無償で提供しているパッチ配布ツール。SUSを使えば,企業ネットワーク上にパッチ配布用のサーバーを構築して,企業内のクライアント・マシンに配布できる。各クライアント・マシンは,インターネットにアクセスすることなくパッチを適用できる。

 SUSは定期的にマイクロソフトのサーバーへアクセスして,新しいパッチが公開された場合には自動的にダウンロードする(同期をとる)。マイクロソフトによると,11月9日公開された「Graphics Rendering Engine の脆弱性によりコードが実行される可能性がある (896424) (MS05-053)」のパッチは,公開と同時に同社サーバーへ置かれたものの,新しいパッチがあることをSUSに知らせる情報などに問題があったために,SUSが新しいパッチをダウンロードできない状況が続いているという。

 同社では原因の調査と復旧作業を実施しているところ。現時点ではいつ復旧するのかについて明確に言えないものの,「できるだけ早急に復旧させる」(マイクロソフト)としている。【11月10日追記】11月10日夜,SUSは復旧した。【以上,11月10日追記】

 トラブルが確認されているのはSUS(SUS 1.0)のみ。WSUSやWindows Update/Microsoft Updateでは問題なくパッチが配信されている。SUSを利用している企業/組織では,SUSの復旧を待つか,別の手段でパッチを配布/適用する必要がある。

◎参考資料
Microsoft SUS not playing well(米SANS Institute)