OpenOffice.org コミュニティ・マネジャ Louis Suarez-Potts氏
OpenOffice.org コミュニティ・マネジャ Louis Suarez-Potts氏
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 「OpenOffice.orgはこれまでに少なくとも5017万回以上ダウンロードされた。ミラーしているサイトを含めればさらに多くのダウンロードや再配布が行われている」---OpenOffice.org日本ユーザー会が都内で開催した説明会で,OpenOffice.org コミュニティ・マネジャのLouis Suarez-Potts氏はその普及状況を紹介した。

 OpenOffice.orgは,オープンソースのオフィス・ソフト。10月20日に新バージョン2.0の英語版が正式公開された(関連記事)。日本語版も10月28日に正式リリースされたばかりだ(関連記事)。

 日本語版のOpenOffice.org 2.0は,ソフトウエア配布サイト「窓の杜」からだけでも4日間で6万件以上のダウンロードがあったという(「窓の杜」のダウンロード・ランキング)。このほか,OpenOffice.org日本ユーザー会やそのミラー・サイトでも配布しているが,その数は集計されていない。

 OpenOffice.org 2.0の特徴は,Microsoft Officeとの互換性を向上させたことや,新たにデータベース・ソフト「Base」が加わったことなど。細かな改良を含め,120以上の機能追加や改良があったという。

 またデフォルトのファイル・フォーマットとしてXML関連の標準化団体Organization for the Advancement of Structured Information Standards(OASIS)が承認したOpenDocumentフォーマットを採用した。Suarez-Potts氏はOpenDocumentの採用が最も重要な点と強調する。「ある企業に占有されたスタンダードでは,その企業が倒産したり独断で変更したりした場合,ドキュメントを読むことができなくってしまう。オープンなスタンダードであればその危険はない」(Suarez-Potts氏)。

 OpenDocumentフォーマットは,OpenOffice.orgのほかKOfficeなどが採用している。またジャストシステムはOpenDocumentへの読み込み,書き込みができる一太郎の追加モジュールを2006年夏に無償提供する予定だ。

 「政府機関には後世に知的財産を残す責任がある」とSuarez-Potts氏は主張する。米マサチューセッツ州はOpenDocumentに準拠したオフィス・スイートを導入する計画を進めている(関連記事)。

 米Sun MicrosystemsはOpenOffice.orgをベースに商用版であるStarOfficeを製品化し販売している。日本ではStarSuiteという名称でサン・マイクロシステムズとソースネクストが販売している。日本は世界で最もStarSuiteの販売本数が多いという(関連記事)。

 OpenOffice.orgを対象とするサポート・サービスも,グッデイやワイズノットなどが提供している。ワイズノットは社内で150ユーザー以上がOpenOffice.orgを使用しているという。またグッデイは,OpenOffice.org日本ユーザー会と約400ページの解説書「オープンガイドブック OpenOffice.org 2.0」を作成。2980円で販売しているが,インターネットでPDF形式での無償公開も行っている。

◎関連資料
オープンガイドブック OpenOffice.org 2.0
未来は開かれている:オープンドキュメントとは何か、そしてなぜ気にかけるべきなのか(OpenDocumentの解説の日本語訳)