米SBCコミュニケーションズは現地時間10月27日,同社が買収する米AT&Tとの合併後の社名を「AT&T」とすることを発表した。SBCコミュニケーションズのエドワード・ウィテカー会長兼CEOは「AT&Tに勝る社名は無かった」と,発表リリースの中でコメントしている。買収完了後に新しい「AT&T」ロゴを公表し,創業以来最大のプロモーションを展開するという。

 米国通信業界2位のSBCコミュニケーションズは2005年1月に,およそ160億ドル(約1兆6400億円)で米AT&Tを買収すると発表。約130年の歴史を持ち,かつて米国最大の企業であったAT&Tの買収は米国通信業界を大きく揺るがした。今回の決定で歴史のある「AT&T」の名称は,これからも引き継がれることになった。

 2006年前半と見られていた買収の完了時期は,2005年末に早まりそうだ。買収完了には,FCC(米連邦通信委員会),米司法局,米国各州の承認が必要だが,現地時間の10月28日にもFCCと司法局の承認が出る見込み。各州の承認も「関係する36州のうち,33州まで完了している」(日本AT&T広報)という。