OSDL ジャパンは周辺機器やアプリケーション・ソフトウエアなどの稼働実績を検索できるLinuxシステム構築事例データベースの整備に乗り出す。2006年3月までに一般に公開する予定だ。

 OSDLジャパンは,Linux普及推進団体OSDLの日本拠点。事例データベースの整備は,OSDLジャパンのシステム・インテグレーションに関する活動であるSI Forumで行う。

 「現在,システム・インテグレータは周辺機器やアプリなどの稼働実績を案件ごとに独自に調査する必要があり,Linuxでの提案や構築を行う上で妨げになっている」(OSDLボードメンバーでNEC Linux推進センター ビジネス開発エキスパート 大木一浩氏)。事例データベースを公開することでLinuxの普及を促進する。

 事例データはNEC,富士通,日立製作所といったOSDLに参加する企業が提供するほか,広くインテグレータに提供を求める。インテグレータにとっては,自社でのLinux構築実績をアピールできるメリットがある。

 OSDLとは別に,経済産業省と国内主要ITベンダーは,独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)内にオープンソース・ソフトウエアの検証結果やセキュリティ情報などを集約し提供する「OSSセンター(仮称)」の設立を進めている(関連記事)。OSSセンターの参加企業とOSDLの参加企業は大部分が重なっており,OSDLの事例データベースをOSSセンターに提供するなどしてどちらからも参照できるようにすることも検討している。